新城ゆかりの刀が帰郷

長篠籠城「小野田」の名前、合戦から450年の節目に

2025/06/03

寄贈された刀。左から2、3人目が下江市長、松下代表(新城市で)

 1575年(天正3年)に現在の新城市で起きた長篠・設楽原の戦いで、長篠城に立てこもった将兵の名前が刻まれた刀が見つかり、2日に市へ寄贈された。下江洋行市長は「450年の節目の年に目玉となる展示ができる。歴史ファンに一層興味を持って訪れてもらえるようにしたい」と意義を語った。

 刀は刃長77㌢で、室町時代につくられたとみられる。刀身の持ち手部分には刀工「俊光」の銘があり、その裏に「小野田源右衛門」が1579年(天正7年)に持ち手を短くしたことが刻まれている。

 市に寄贈した「小野田源右衛門正勝功績顕彰会」によると、源右衛門は田峯菅沼家の家臣。現在の同市連合地区周辺の支配を任された。

 三方ケ原の戦い、野田の戦いに参加し、長篠・設楽原の戦いでは鳥居強右衛門らとともに籠城。刀には実戦で付いたとみられる傷も残るが、源右衛門は一連の戦いを生き延び、同地区に住み続けた。刀の存在は今年1月、佐賀県の所有者から市の長篠城址史跡保存館に連絡があり、明らかに。有志が顕彰会を組織して寄付を募り、100万円で買い取った。5月から保存館が展示している。

 顕彰会の松下裕秀代表は、寄贈式で「前の所有者からは『刀には持ち主の魂がこもるもの。里帰りが一番うれしいのは刀そのものだろう』と言われた。市で大事にしていただければ」と語った。

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