爆心地近く「遺体もない」

新城市の黒田さんが広島原爆の体験語る

2025/06/17

原爆投下直後の広島について語る黒田さん(新城市で)

 6歳のときに広島で被爆した黒田レオンさん(86)=本名・黒田武儀さん、新城市在住=が15日、市民団体「奥三河九条の会」に招かれ、新城市商工会館で講演した。「爆心地の近くでは(人の体が)ほとんど即消えるみたい。遺体もない状態で多くの方々が亡くなった」。原爆投下後の現地を歩いた記憶を生々しく語り、平和への願いを訴えた。

 黒田さんは神奈川県生まれ。大学教員だった父親の仕事で、一家は原爆が落とされた1945年8月6日の直前に広島へ移り住んだ。

 その瞬間は、両親らと家にいたそうだ。「何かが光ったというより、家全体が光に包まれて目が見えなくなった。母親がものすごい声を出し、熱いって言った」。幸い全員、大したけがはしていなかった。

 しかし、外では爆心地方面から逃げてきた人たちが、焼けたアスファルトの上をはだしで歩いていた。

 黒田さんは父親に言われ、家や近所から履物を集めて何度も運んでいった。

 「男の人のズボンより女の人は洋服が取れやすいのか、裸同然になっているのは圧倒的に女の人が多かった。手を下ろしたら痛いんでしょう。みんな手を前に上げ、皮がぶら下がっていた」

 80年前の悲惨な体験談に、九条の会のメンバーら30人余りが耳を傾けた。黒田さんは「こんなことは二度と起こしてはならない。みんなが幸せに生きられる世の中であってほしい」と力を込めて語った。

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