県立高校設備老朽化が部活動痛撃

新入部員受け入れず 国府高は水泳部廃部へ/逆境力に御津あおば高で合同練習

2025/07/05

練習中にコミュニケーションを取る両校の水泳部員(御津あおば高校で)

 県立高校の設備老朽化が部活動に影響を与えている。豊川市の国府高校ではプールが使用できず、水泳部は来年度限りで廃部となる見通し。部員らは、近隣の県立御津あおば高校の50メートルプールで同校水泳部と合同練習に励み、逆境を力に変えている。

松坂さん(後方)の指導で泳ぐ部員たち(同)

みんなで切磋琢磨「いい経験や学びに」

 2日に今年初の合同練習があり、東三河の高校などで20年以上の指導歴がある国府水泳部の松坂知洋顧問(60)が指導し、両校の部員はクロールや背泳ぎでプールを往復した。三河地方の公立高では珍しい全長50メートルプールに、国府の熊切こはくさんは「大会の会場(アクアリーナ豊橋)が50メートルなので、本番を想定して練習できる。ターンをする必要がないので、25メートルプールとは感覚が違う」と喜んだ。

 国府高校では、プールの塗装が落ちるなどして水質が悪化し、多額な修繕費も必要で、数年前から使用できない。以前、松坂さんが御津あおばに赴任していた縁もあり、自転車で約15分の距離にある同校の協力を得て、7~9月の夏季は昨年度から御津あおばを練習場としている。

 今春から新入部員を受け入れず、現在は2年生のみ9人。来年の夏で引退すれば、部の歴史に幕が下りる。松坂さんは「みんなで一緒のプールで切磋琢磨(せっさたくま)し、結果につなげてほしい」と期待する。

 4月に1年生8人が入部した御津あおばにとっても、実績ある松坂さんの指導を受け、身体能力の高い国府の〝先輩部員〟の隣で泳ぐことで刺激を受けている。主将の下立(しもだて)卓都さん(2年)は「いい経験や学びになる。国府の皆さんにはこのプールを存分に使ってほしい」と話す。

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