記念イベントに地域住民らが祝福に駆けつる
2025/07/19
あいさつする安形会長と安形代表取締役㊨(新城市大野の鳳来館で)
1925(大正14)年7月に建立された新城市大野の鳳来館が、100周年を迎えた。18日、記念イベントが開かれ、来賓、関係者、地域住民ら約200人が祝福に駆けつけた。
2階大ホールで行われた開会行事で、館を所有、管理するスエヒロ産業の2人があいさつした。安形憲二会長は、建物への深い思いを語った。「ギャラリーになって一度も黒字になったことがない」としながらも「スエヒロが今あるのはここがあったから。シンボルとして今後も大切にしたい」と話した。
安形大介代表取締役は「人と人がつながる場所として200年も300年も続くよう、皆さんと共に大切にしていきたい」と決意を述べた。
下江洋行市長は、スエヒロ産業と安形会長らに「これまでの功績は多大である」と感謝した。
郷土史家の菅沼昭博さん(80)の講演では、商業で栄えた100年前の大野の歴史、菅沼さんの鳳来館への思いなどが語られた。最後に「ふるさと鳳来館は、永久に不滅です」と力を込めた。
同館周辺では、チンドン屋がお祝いムードを盛り上げ、「餅まき」には多くの住民が集まった。
建物は、外部は鉄筋コンクリート、内部は木造という大正の香り漂うモダンな造り。玄関のひさしはメダリオンという近代建築の様式で、館内の柱はドリス式の円柱が採用されている。100年前に大野銀行本店として設立され、その後、豊川信用金庫の出張所として使われてきた。今は「大野宿美術珈琲鳳来館」として営業している。2009年、国の有形文化財(建造物)に登録された。