2月の豊川稲荷門前もらい火原因で全焼/クラファン支援で再出発
2025/08/26
新店舗で営業を再開したフランス料理店アトモス(豊川市西本町で)
2月の豊川稲荷門前での延焼で店舗が全焼したフランス料理店アトモスが今月、営業を再開した。近隣住民の協力やクラウドファンディングの支援を得て再出発。24日には同じ火災のもらい火で店舗が被害を受けた写真スタジオの家族とコラボし、フルコースのランチを提供した。
アトモスはオープンから2年を前にした2月10日夜、隣の和食店が火元の火災に巻き込まれ全焼した。代表シェフの加藤輝久さん(51)は喪失感と絶望感に打ちひしがれたが、商店街関係者や顧客からの励ましを受け「自分にはこの道しかない」と再起を決断した。
知人から勧められたクラウドファンディングは、開始からわずか4日で目標金額200万円を達成。新たに600万円を目標に、引き続き支援を募っている。近隣住民らの協力もあり、旧店舗から近い西本町の空き家を改修して今月11日から営業を再開した。
2月の火災ではアトモスに隣接するライフスタジオ豊川(林真梨代表)も被災。両店は復興バザーを共同開催するなど復活に向けて手を取り合ってきた。今月24日には林代表の長女、凪さん(11)が「ゆうなぎ」の屋号で提供する、アフリカの発展途上国マラウイから仕入れた紅茶とデザートを付けたコース料理「善の膳」を提供。売り上げの一部はマラウイの学校給食支援に送る。
もともとは豊富な食材が集まる姫街道に着目し、豊川で開業した加藤さん。オクラやイチジクなど地元産の野菜を料理に使っており「できることから始めて、地元の食材の良さを発信していきたい」と意気込む。