企業の人手不足改善狙う/名大などが新城市で実証実験
2025/08/27
アームを操作する参加者。ゴーグルで見えるのと同じ画像が奥のモニターに映っている(新城市で)
名古屋大学などは25日、VR(仮想現実)ゴーグルやロボットアームを使って、新城市の人に遠隔地の作業を担ってもらう実証実験を始めた。将来的には、空き時間を生かすスキマバイトのような働き方を地方でも可能にし、企業の人手不足を補う狙いがある。
新城側の会場となった市の勤労青少年ホームでは、参加者がゴーグルを装着。インターネット経由で、名古屋市千種区の名大に置かれたアームを動かし、箱入り菓子の詰め替えを行った。
実験は、物流業界における仕分けを想定した内容だ。こうした現場では機械化を進めても、人手に頼らざるを得ない作業が残ってしまうという。
吸盤で菓子を持ち上げて移動させる様子は、まるでゲームセンターのクレーンゲームのよう。ただ、操作から実際に動くまで0・1秒程度の時間差が生じ、慣れが求められそうだ。
実験に参加した市産業政策課の吉田由起さんは「奥行きが分かりづらかったけれど、思っていたより操作しやすい。ゲームのようで楽しかった」と話した。
名大の河口信夫教授は「地方では働き口が少ない一方、物流業界は人手が不足している。ロボットを遠隔操作することで、繁忙期などにスポットで働いてもらえるようにしたい」と展望を語った。
実施期間は9月7日まで。参加者をウェブサイトで募集しており、1時間程度の実験で2000円相当の謝礼が出る。