球場移転でスタンス迷走

豊橋市/基本設計公表も 市長「決断」否定/公の場での個人的見解 事態複雑化

2025/09/04

市議会一般質問で答弁について話し合う長坂市長(右端)と市幹部=豊橋市議会議場で

 三河湾岸の豊橋総合スポーツ公園B地区への球場移設計画をめぐる、豊橋市のスタンスが分かりにくくなっている。その複雑さは新たな野球場の基本設計に対し、公の場で個人的見解と思われる疑義を挟む長坂尚登市長に起因している。

 豊橋公園内にあった野球場の代わりに新球場を臨海部に整備する市の計画について、長坂市長は市議時代に津波などへの懸念から批判的な立場をとってきた。

 先月19日には、市議会の全員協議会で球場移設の基本設計を公表。ただ、同25日の定例記者会見では現行案で「決断したということはない」と述べたほか、開会中の9月定例議会の一般質問で移設先に反対していた過去を踏まえ「個人としての考えは変わっていない」と答えている。

 3日の一般質問で古池もも議員(とよはしみんなの議会)は、この点を追及。南海トラフ地震や気温変動に伴う海面上昇、液状化による地盤沈下への対策が盛り込まれた現行案で安全性能は担保されているとして、長坂市長が考える「命を脅かす要素は何か」とただした。

 長坂市長は「現行の被害予測には対応できている。命がその施設では守れる設計がされている」と認めた一方で、「将来的に被害予測が新たに出てきたときに対応できるか分からない」と指摘した。

 その後の答弁で金子知永都市計画部長は、建築基準法の改正を例に「基本的に後付けの構造対策は可能」と説明した。

 また、長坂市長は「そこ(野球場)を造ることで避難してくる人、野球場から別のところに避難する人のリスクまで想定しきれていない」とも述べた。

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