アフリカ最貧国に新たな仕事を

一般社団法人ゆうなぎカンパニー設立/豊橋市の小学生 林凪さんの挑戦/「幸せな家族の時間」願って/コーヒー豆などアフリカから仕入れ商品販売

2025/09/10

先月のコラボイベントでフルーツティーを作る林さん(豊川市内で)

 貧しい国の子たちに手を差し伸べようと豊橋市の小学生、林凪さん(11)が今夏、一般社団法人ゆうなぎカンパニーを設立した。アフリカから仕入れた豆などで作ったコーヒーや紅茶を販売し、発展途上国への支援に力を入れる。東三河で小学生の起業は極めて珍しいという。

 林さんは昨年春、東京都内で開かれたボランティア活動に参加。アフリカ大陸の最貧国と言われるマラウイ共和国で作られたコーヒーの販売を通じ、現地の子どもたちの給食支援に貢献する活動に共感した。

 しかし、「このやり方で本当にアフリカやマラウイの人は幸せになれるのか」「『かわいそう』の一言で世界を変えることはできるのか」と思い、「『かわいそう』ではなく『欲しい』から買ってもらえるブランドをつくり、マラウイに新しい仕事をつくりたい」と自ら思い立った。

 お年玉でためた10万円を資本金に、現地から仕入れた原料で作るコーヒードリップパックや紅茶のティーバッグなどをイベント出展で販売。先月には豊川市内のフレンチレストランとコラボして紅茶を使ったフルーツティーなどを振る舞い、売り上げの一部をNPO法人seiboを通じてマラウイの学校給食支援に充てた。昨年12月の学会発表でつながりができていた地元のコーヒーメーカーと協働の話も進んでいる。

 林さんは「マラウイの子どもたちにおなかいっぱいの給食と幸せいっぱいの仕事を届けたい。夕凪の海の向こうに日本もマラウイも変わらず、幸せな家族の時間がありますように」と話した。

 東三河で起業を支援するスタートアップガレージ(豊橋市)によると、この地方で小学生の起業は非常に珍しいという。豊川商工会議所の担当者も「過去に聞いたことがない」と話している。

来店客に振る舞う林さん㊧(同)

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