巧妙な手口が横行・警察署が対策呼びかけ
2025/09/14
カー用品店で防犯対策を行う豊橋署員ら(今年4月、豊橋市内で)
豊橋市と蒲郡市で今月、トヨタの人気車種「ランドクルーザー」が盗まれる被害が連続発生した。自宅駐車場から持ち去られ、特殊な装置を使った短時間での犯行とみられる。豊橋署と蒲郡署は所有者に対策を図るように警戒を呼びかけている。
豊橋署によると、今月3日と10日未明に、いずれも一軒家の駐車場に止めていたランドクルーザーが盗まれる被害が発生。今年は8月末までに計6件の被害が起きていた。
近年、全国的に特定車種をねらった自動車盗が多発。特殊な装置「CANインベーダー」などを使う手口で施錠を解いてエンジンを始動させる手口が横行している。
所有者が特殊なセキュリティーを導入するには一定の金額を要するが、署は高額で手に入れた愛車を守る対策の必要性を訴える。署生活安全課の中川元宏課長は「犯人側は対策を知った上の新たな手口も行う。カー用品店などで専門家に相談し、各自の環境に合った対策してほしい」と訴える。
蒲郡市内では9日から10日にかけて、三谷町の住宅から同車種が盗まれた。市内では3月と5月にも緑町と竹谷町で計3台の被害が確認されていた。
市内で今年にあった自動車盗は計9件。うち4件はランドクルーザーが持ち去られた。窃盗犯は複数人とみられ、事前に下見をした上で犯行に及んでいる可能性がある。そのため、蒲郡署員は「不審な車や人物を見た際は通報を願いたい」と協力を呼びかける。「ランクル」は中古車でも高値で販売され、海外へ運んで部品を転売する目的の犯行もあるとみられる。署は駐車場へのセンサーライトや防犯カメラ設置などを勧めている。
署員は「夜間は家族や関係者の車を前に置いて移動できない状態にするのも一つの手段。車両や駐車場へ複数の対策を施してほしい」と話している。