「まち歩きしたくなるまち」へ

新アリーナ開業後の人流/豊橋まつりが投げかけた問い

2025/10/24

豊橋まつり会場の豊橋公園に向かって歩く来場者ら(18日、豊橋市内で)

 今年の「ええじゃないか豊橋まつり」は、事業の再開が決まった多目的屋内施設(新アリーナ)の開業後の人流についても問いを投げかけた。

 今月18、19両日に実施された同まつりでは、会場の一つ豊橋公園でもステージイベントや物販など多彩な催しが行われた。

 同公園の中にアリーナ建設予定地があり、事業継続の賛否を問うことになった7月の住民投票で論点の一つに浮上したのが、ターミナル駅の豊橋駅とアリーナの距離が約2キロあり、徒歩での来場を促すには遠いとの指摘だった。

 市内で行われる催し物の中で高い集客力のある豊橋まつりと、アリーナでの大規模な興行時を重ね合わせて開業後をイメージする意見は、住民投票の前からあった。

 まつり期間中、豊橋駅と豊橋公園を結ぶまちなかを歩く人の姿が多く見られたが、歩きでの約2キロを「遠いことは確かだ」と問題視するのは民間シンクタンク「東三河くらしと自治研究所」の鈴木正廣事務局次長だ。年間では暑い日も寒い日もあり「豊橋まつりのように気候の良いときばかりではない」と指摘する。

 一方、84歳の今も豊橋公園を訪れる際は豊橋駅から徒歩で往復するという愛知大学の藤田佳久名誉教授は、自身の健脚ぶりを引き合いに距離を逆手に取って「あなたも歩いて健康になろう、とPRしたらどうか」と提案。「歩くのが大変な人は路面電車やバスを利用すればいい」と話す。

 藤田氏は「通りを歩く人が増えれば店ができ、そうなれば若者は楽しめる。まちが活性化する」と、よりまち歩きをしたくなるまちを整備することが重要との考えを示す。

 新アリーナをめぐっては、昨年11月に就任した長坂尚登市長が契約解除に向けた手続きを進めたものの、今夏の住民投票で事業継続に賛成の票が反対票を上回ったことを踏まえ、事業再開を決断。市は一時中断している工事を、今月27日に再開すると発表した。アリーナは2029年10月の開業が予定されている。

2025/10/24 のニュース

豊橋まつり会場の豊橋公園に向かって歩く来場者ら(18日、豊橋市内で)

有料会員募集

今日の誌面

有料会員募集

きらり東三河サイト

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP