学園紛争どう映ったか追加編㊦ 文学部・法経学部二部・大学院・専攻科/愛大が当時の卒業生対象に調査
2025/11/11

文学部の卒業生が学んだ2号館(愛知大学豊橋校舎で)
豊橋市の愛知大学東亜同文書院大学記念センターが報告書にまとめた、愛大在学時の状況やその後の軌跡を追うシリーズ第4弾「大学紛争編」追加編の最終回は、「文学部、法経学部二部、大学院・専攻科」を取り上げる。法経学部法学、経済学、経営学の3科と比べ、文学部は紛争に参加して影響を受けたと答えた卒業生が目立った。二部も集会やデモに出た人がいた。
■文学部
愛知大学五十年史通史編などによると、愛大の学園紛争は学費の値上げを発端に1968年末、学生自治会を握る学生同士の「乱闘事件」に発展し、3年3カ月に及んだ。
アンケートに答えた文学部の21~28人のうち紛争理由で5人が社会の風潮や時代の流れを挙げ、4人が「わからない」などを加え無関心だった。同様に4人が「安保闘争」「ベトナム戦争」などの複数要因を取り上げ、「学費値上げ」と正しく答えた。
その認識で、7人は「バリケートの封鎖で授業がなくなり行き過ぎ」「演説が迷惑」など問題ととらえた。「わからない」を含め無関心が6人。デモや集会への参加も3人いた。
しかし、紛争の影響で「わかりません」を加え「なかった」が11人。「あった」も5人。理由として「就職への痛手」「公安が調べに来たようだ」などと言及する人もいた。
文学部は、すでに紹介した「法学科」と「経済学科」、「経営学科」と比べ、紛争に関わった人が少なくなかった。
■2部、大学院
法経学部2部法学科(豊橋、名古屋校舎)で、答えた8~13人のうち紛争の認識で「あまり知らない」などを含め無関心が5人、集会やデモへの参加が2人。紛争の影響で「ない」が7人だった。
2部経済学科(同)で答えた7人~17人のうち紛争の認識で「知らなかった」を加え無関心が10人、「傍観していた」が2人。紛争の影響では「ない」が6人だった。
大学院・専攻科で答えた4人のうち3人が紛争の認識について無関心だった。
紛争への関わりが目立った文学部の卒業生について調査した愛大名誉教授で愛大東亜同文書院大学記念センターの藤田佳久・元センター長は「法経学部より思想を学ぶ学生が当時多く、大学側の態度に矛盾を感じたのが引き金の一つになったのでは」と話した。
アンケート調査は、66年度から4年間で卒業した文学部の504人、法経学部二部法学科の961人、二部経済学科の1041人、大学院・専攻科の153人が対象。紛争項目は記述式で、答えた半分ぐらいは学園紛争の経験はないという。他に大学生活の満足度などを質問している。しかし、対象者の多くは70代後半と高齢のため、回答はそれぞれ30人、23人、26人、4人と少なかった。