「第36回新城歌舞伎」
2025/11/18

磔の強右衛門をたたえる勝頼ら(新城文化会館で)
全国的にも珍しい市民だけによる歌舞伎の公演「第36回新城歌舞伎」が16日、新城市の新城文化会館大ホールで開かれ、600人を超える市民が創作歌舞伎や子ども歌舞伎などを楽しんだ。
出演する山・臼子歌舞伎保存会は、昨年の新作「援軍要請の場」の続編で、老平美喜代さん(臼子在住)創作の歌舞伎「磔(はりつけ)の場」に挑んだ。
舞台は450年前の1575(天正3)年、長篠城を包囲する武田軍と織田・徳川連合軍が戦った「長篠・設楽原の戦い」。岡崎城に走り援軍要請の使命を果たした鳥居強右衛門(とりいすねえもん)が、農民の姿で城に戻る途中、陣所前で捕まったというストーリーだ。
登場人物は15人。強右衛門役は山崎啓輔さん、穴山役は熊谷圭介さん、勝頼役は野沢康幸さん。強右衛門と穴やな陣所のやり取り、強右衛門の「援軍は来るぞ」の叫び、磔の強右衛門をたたえる勝頼ら迫力ある演技に大きな拍手が送られていた。
鳥原子ども歌舞伎で、市内舟着小学校の高学年児童11人が、「弁天娘女男白浪~稲瀬川勢揃いの場~」(通称・女男白浪5人男)を見事に演じたほか、鳥原歌舞伎では「弁天娘女男白浪~浜松屋見世先の場~」を披露した。