地域の企業や自治体と連携で学校法人「CoIU」/理論と対話 実践反復し人材育成
2025/11/25

料理旅館を改装してキャンパスの一部として使う建物(提供)
理論と対話、実践を繰り返し、企業や自治体とともに人材を育てるユニークな大学が来春、岐阜県飛騨市に開学する。「コー・イノベーション大学」(CoIU、コーアイユー)。田原市など全国に計画するサテライト会場とオンラインで結び授業を進め、併せて地域の課題解決に取り組む。「学生の『共創する力』を育て『問いを立てる力』を発展させる新しい大学」を目指す。
■ 候補地15カ所
大学を運営する学校法人「CoIU」(井上博成理事長)によると、CoIUは経済学、経営学を中心とする「共創学部地域共創学科」を設け、1学年120人の4年制大学。JR古川駅近くのホテルや旅館、古民家を改装してキャンパスとして使う。2027年度中に複合施設の完成を見込んでおり、その一部をキャンパスに使う計画だ。
1年次はキャンパスなどで理論と対話を中心に学び、実践に向け準備する。2年次は北海道、東北、北陸、関西、中国、九州などの15カ所の候補地のうち、開学時に設置する予定のサテライト会場7、8カ所に分かれる。オンライン授業に加え「伝統産業」「震災・復興」「一次産業」「スポーツ・観光・自治体」などをテーマに企業や自治体と連携してプロジェクトを推進する。
例えば田原市では農業を中心とする現場で、未来の産業モデルづくりに挑戦。地域に埋もれた資源を生かしてマーケティングや商品・顧客の開発を目指す。
3、4年次は引きプロジェクトへの参加も可能。別のサテライト会場に移ったり、大学に戻ったりするのも自由だ。
■ 学び実践
学校法人になる前の一般社団法人「CoIU」が昨年10月、認可許可を申請。今年8月に文部科学相に設置が認められた。それ以降、オープンキャンパスが各地で繰り広げられ、今月1日には名古屋市内で開かれた。
学長に就く予定の宮田裕章・慶応大教授は「生成AIの登場以降、『問いを立てる力』が問われているからこそ、社会に出た学びの実践が必要。CoIUでは実社会で役立つスキルと現場に根差した実感を元に問いを立て、深める力を身に付ける学習環境を提供する」としている。
■ 入学試験
初年度入学生の一般選抜(募集12人)は来年2月8日、岐阜県高山市と名古屋市、東京都と大阪府の4カ所で実施。受験は無料で、国語、英語、数学のうち2科目を選択する。
また、総合型選抜(募集68人)はすでに始まっており、3月28日まで7回行われる。学校推薦型(募集40人)は今月30日に実施。ともに面接で選考し、受験料は3万円。総合型、学校推薦型で不合格になっても再受験できる。その際、受験料はかからない。
入試に関する問い合わせは学校法人CoIUへ。電話0577(57)8121。大学の詳細についてはQRコードから。