かつての〝身内〟から失望の声

豊橋市新球場整備計画 一般質問で菅谷市議/長坂市長へ「人が変わったよう」/土屋市議らの質問に「苦渋の決断だった」

2025/12/10

新球場の完成予想図(豊橋市提供)

 豊橋市の多目的屋内施設(新アリーナ)事業に伴う新たな野球場の整備計画を巡り、9日の市議会一般質問では、市議時代の主張を翻(ひるがえ)した長坂尚登市長に対して、出身会派の議員から失望の声が漏れる展開となった。

 昨年11月に市長に就任する以前、市議だった長坂氏が所属した会派「新しい豊橋」の菅谷竜代表が登壇し、新球場の移設先に三河湾岸の豊橋総合スポーツ公園B地区を選んだ理由をただした。

 長坂市長は、アリーナ事業の継続の是非を問うことになった今年7月の住民投票で、反対多数だった場合にはアリーナ建設予定地にある旧豊橋球場の復活を想定していたものの、賛成多数の結果を受け事業継続を決めたことで新球場が必要になったと説明。すでに今年度当初の時点で検討し、総合スポーツ公園B地区以外への球場整備は難しいと論点整理をしていたとして「ここの場所に、この計画で野球場を造ることが本当に安全なのかをしっかりと専門家の意見を聞いて、こんなところに造るべきっじゃないという意見があればB地区には造れないと判断するつもりだったが、そのような意見があったわけでなはい」と述べた。

 市議のころに臨海部への球場移設に強く反対していた長坂氏の過去の言動を踏まえ、なぜ考えを変えたのか「丁寧な説明を聞きたい」と迫った菅谷氏だが、答弁を聞いて「人が変わってしまったようで、本当にしんどい」と絞り出すように話し、失望感をあらわにした。

 同じくこの日、球場移設計画を質問項目に取り上げた土屋祐司議員(自民)らへの答弁で、長坂市長は「苦渋の決断だった」と釈明した。

 アリーナ事業に伴い廃止された旧豊橋球場の代わりとなる新球場の移設計画を巡っては、長坂市長就任によって同事業とともに一時中断された。市は今年9月に市民説明会を開いたほか、10月から11月にかけて防災の専門家らの意見を聞いた上で津波や液状化への懸念に対応可能だとして、11月に既存の基本設計と同じ総合スポーツ公園B地区に整備すると発表した。

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新球場の完成予想図(豊橋市提供)

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