来年4月から平均4割増/「受益者負担の見直し急務」/苦しい実情 将来的に追加値上げも
2025/12/13

東栄町役場
東栄町は、上下水道料金を来年4月から引き上げる条例改正案を、町議会12月定例会に提出した。水道で平均41%増、下水道で同35%増の大幅な値上げにより、各事業の収支改善を図る。同じく値上げする農業集落排水も含め、年間3230万円程度の増収を見込んでいる。
村上孝治町長は12日、町議会定例会の一般質問で「財政の硬直化が町の最大の課題になっている。水道料を含む受益者負担の見直しは急務だ」と答弁し、理解を求めた。
水道料については14年ぶりの改定となる。基本料の引き上げとともに、10立方㍍までは料金を上乗せしなかった定額従量制を取りやめ、1立方メートルからの従量制とする。
一般的な家庭で月15立方メートルの水を使う場合、月額の水道料は現行より59%増の3020円(税別)に上昇する。下水道も合わせると、55%増の6770円(同)となる。
町の水道事業は、設備の老朽化や物価高騰により維持費が増加。一方、料金収入は人口減少に伴って目減りし、給水原価の3割強しか賄えない状況となっていた。
今回の値上げ後も、料金収入でカバーできるのは給水原価の5割にとどまる。将来的に追加の値上げという事態も想定される。
東三河では水道の値上げが相次いでいる。豊橋市も42年ぶりの改定により、来年度から平均16%引き上げる計画だ。