桜が紡ぐまちづくり

豊橋市二川地区/市民組織が中核 困難乗り越えて/地元企業や県や市も後押し/新たに植樹も―桜尽くしの春へ膨らむ期待

2025/12/21

新たに植えられた桜の木と梅岡代表(豊橋市の二川駅南口で)

 かつての宿場町の風情で知られる豊橋市二川地区で、桜のある景観を生かしたまちづくりが進められている。困難を乗り越え、その中核を担ってきたのが同地区を愛してやまない市民組織だ。

 二川地区は旧東海道の二川宿として栄えてきた歴史を持つ。今も街道沿いには歴史的な建造物が立ち並び、市内を代表する観光名所になっている。

 他方で、地区内を流れる梅田川の両岸には長い桜並木があり、春に開花すると辺りは華やいだ雰囲気に包まれる。二川駅南口からほど近い場所にかかる橋は、その名も「桜橋」だ。

 桜の手入れに携わってきたのは、市民で組織された「二川さくら守の会」。2014年の発足以来、老いた木の寿命を延ばすため肥料を与えたり、病気が発生すればそれに対処したりと、地元企業の協力も得ながら並木保全に取り組んできた。梅岡愛子代表は「日本人として桜が好き。本当にきれい」と話す。

 昨年、同会に危機が訪れた。長年続けてきた活動でメンバーは疲弊し、資金も尽きかけていた。そんなとき愛知県や市の助成を得て、体制を立て直した。

 これを再出発と位置づけ、同会は20日、駅南口で地元自治会の関係者などを招いて桜の植樹会を開いた。

 ロータリーの一角に「おかめ桜」と「舞姫」という開花時期の異なる2種類の桜を植えた。梅田川沿いのソメイヨシノと合わせ、3月から4月にかけて次々と花が咲く「桜のリレー」が期待できるという。

 梅岡代表は「来年の春は、桜餅を食べながら桜の花を愛(め)でたい」と目を細めた。

春になると桜並木は満開の桜で絶景に(提供)

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新たに植えられた桜の木と梅岡代表(豊橋市の二川駅南口で)

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