自宅などへシェフ呼べます/ふるさと納税返礼品に出張料理、西尾市が中部地方初の試み
2025/12/30

西尾産の食材を堪能できるランチコースとシェフの石原さん(西尾市一色町で)
西尾市はこのほど、ふるさと納税の新たな返礼品として、自宅などにシェフを呼んで本格的な料理を味わえる「出張料理」を登録した。同市によると、中部地方では初めての試み。特製ランチコースで、西尾産の食材を堪能できる。
メニューは4品。前菜の「昆布〆の西尾水揚げ黒鯛のカルパッチョ 西尾市の旬菜のサラダ仕立て」は、クロダイを白ワインと香草、レモンであえてから昆布で締めることで、うま味を凝縮させて味と香りを引き立てる。
メインは「西尾おいんく豚とクイーンポークのコンビネゾン 西尾すず味噌(みそ)のマデラソース」。赤味噌と赤ワインのソースと共に、同市産の2種類の豚肉を食べ比べできる。
「西尾水揚げ甲殻類とトマトのパスタ 三河一色鰻(うなぎ)のセック」は、細かくして揚げ焼きにしたウナギとあおさのりをトッピング。香ばしい風味と食感を印象付ける。デザートとして、抹茶のクリームソースを添えた小豆とクリームチーズのムースも楽しめる。食材は旬のものを使うため、変更になる場合がある。
料理は事前に専用キッチンで仕込み、食事会場で仕上げて出来立てを提供する。会場では調理を含む準備に1時間30分ほどかかり、食事は2時間の想定。1~3人分で、寄付額は6万7000円。県外への出張費や子ども用料理などは別料金となる。
コースを手掛けるのは、のり卸販売の「山廣海苔」(同市一色町)の出張料理部門「Your Chef」オーナーシェフの石原成也さん(34)。フランス・イタリア料理などの経験を積み、2017(平成29)年から出張料理サービスを展開している。
石原さんは「体験型の返礼品に興味があった。西尾といえばウナギや抹茶などの名産品に焦点が当たりがちだが、他にもおいしいものがたくさんある。料理人としてさまざまな調理法で食材の新しい魅力を表現したい。まだ知らない西尾をたくさん味わってほしい」と思いを込めている。
寄付申し込みは各種ポータルサイトで。支払い後に届く食事券から希望日を予約する。来年1月分の予約は埋まっているため、2月以降となる。
岡崎警察署はこのほど、県立岡崎商業高校の生徒がデザインした特殊詐欺への注意を促すパトカー用マグネットシートをお披露目した。同署管内(岡崎市、幸田町)で多発する警察官をかたるオレオレ詐欺では若い世代の被害が目立つことから、広報に若者の発想を取り入れようと、同校に制作を依頼。「情報発信を通じた社会貢献」がテーマの授業を選択している3年生19人が参加した。生徒は署員を講師に招いた授業で最新の手口を学び、デザインを考えた。
同署はデザイン案17種類のうち1種類を使い、マグネットシートを40枚作成。縦30センチ、横50で黄色の背景に「ニセ警察官にダマされるな‼」という文字が目を引く。残る16種類もチラシやポスターとして活用する。
17日には同署で出発式が開かれ、生徒はマグネットシートを貼ったパトカー6台に分かれて乗車。マイクで特殊詐欺防止を呼び掛けながら市内を巡回した。内山梨音さん(17)は「特殊詐欺の手口を学びながら、被害防止に協力できてうれしい。多くの人に見てもらいたい」と笑顔を見せた。加藤武嗣署長は「インパクトのあるイラストは目に付き、被害防止に効果があると思う」と期待を込めた。