新年を迎える準備整う
2025/12/30

傘杉にしめ縄を飾る(新城市門谷の鳳来寺表参道で)
新城市門谷の鳳来寺表参道にある巨木の傘杉(かさすぎ)に29日、しめ縄飾りが奉納され、新年を迎える準備が整った。
今年のしめ縄は、住民らでつくる「しめ縄保存会」(山下修一会長)のメンバーと協力者らで21日、製作された。長さが8メートル、直径が9センチほど。この日の奉納には、地元住民ら約20人と名古屋市から塾生親子ら32人が参加した。ほら貝を吹いて誘導する神谷正覚代表ら白山龍鳴会のメンバーに続き、子どもらがしめ縄を旧門谷小学校から傘杉まで表参道の石段を登って運んだ。
参加者や観光客らが見守る中、高さ4㍍付近の傘杉の幹に脚立や竹の棒を使ってしめ縄を縛り付けて飾りを取り付けた。藤本高仝住職が祈祷(きとう)し、参加者らが焼香して手を合わせた。
10年前から有志で参加している塾代表の溝口江理子さんは「毎年この日に合わせて鳳来寺山に登山し、しめ縄を運ばせていただいている。なかなかない機会」と話した。
山下会長は「しめ縄づくりに、今年初めて外部の方が10人ほど手伝いに駆けつけてくれた」と感謝したうえで、「来年は落ち着いた1年になってほしい」と願った。
傘杉は、高さが60㍍、幹周り7・5㍍、樹齢800年以上で、枝が唐傘のように広がっている。新日本名木百選に選ばれている。しめ縄飾りは80年ほど前に、復員兵が無事に帰ったことを祝って始められたという。途絶えることもあったが、10年ほど前に復活した。