ながら・加藤建築、職人の目で住人に寄り添う助言/豊橋
2026/02/15

内覧サービスを始めた加藤代表㊧ら(豊橋市内で)
日本家屋施工の「ながら・加藤建築」(豊橋市石巻本町)はこのほど、中古住宅の購入希望者への「内覧同行サービス」を始めた。昨今の物価高などの影響でリフォーム家屋の需要が拡大。整った外観とは裏腹に構造的に問題のある物件が多く「職人の目」で客観的な助言を贈る。加藤泰久代表(59)は「一生に一度の買い物。住む人の思いに立ってアドバイスできる」と地域に根付く大工として使命感を語る。
サービスは、購入前の対象物件に立ち会って基礎や構造のひずみ、床下の腐食度合いなどを確認。修繕費や入居後に起こりうる問題の可能性を伝え「本当に買ってよい家なのか」について忖度(そんたく)せずにアドバイスする。
近年の物価高や昨年の建築基準法改正による影響で、部材費や設計費が高騰。数年前に3000万円ほどで購入できた家屋が、現在は4500万円から5000万円の値が付く状況となっている。
そのため中古住宅に目を向ける人が増え、不動産市場に並ぶ。物件の中には内装は整っているが土台や基礎部分の劣化を放置している家屋があり、入居後に数百万円もの費用を追加負担することも起きているという。
加藤代表は「購入時の安さに気を取られ、住み始めて問題に気付くことがある。安心して暮らす助言をさせて頂きたい」と気軽な利用を呼びかける。
◆大工の誇り
同社は創業46年。建築に使用する木材は数年間の「天然乾燥」後に使用。目の詰まった木材に囲まれた家屋は頑丈かつ柔軟性に富み、四季を感じて暮らす日本家屋の普遍的な価値を体現する。
加藤代表は、父親の故・智久さんから家業を受け継いだ2代目。「とよはしの匠(たくみ)」や「あいちの名工」、厚労省の「ものづくりマイスター」の認定を受けている。
工場で自動化の進む建築工程や省エネ設備の普及、売り上げ重視の経営方針など、時代と一線を画する取り組みだが「今後さらに困る住人が増えていく」としてサービスを始めた。
木目や年輪から「木の生き様」を見抜き、家屋に足を踏み入れて五感を使って病を探る。分厚い手のひらと柔らかな視線で職人を束ねて家人に寄り添う「棟梁(とうりょう)」の矜持(きょうじ)を示す。「家の状況や必要な費用を偽りなく堂々と提示する」と話している。
費用は2万円。サービスに関する問い合わせは、同社=電話0532(88)1611=へ。