人工育雛から次のステップ移行/餌を取ったり敵から逃げるなど/飼育個体に野生で生きる術訓練/21日に人間環境大学とコラボイベントも/豊橋総合動植物公園
2026/03/07

のんほいパークのアカモズ(豊橋市提供)
絶滅の危機に瀕したアカモズを救おうと、卵から人工的に育てる試みを3年前から続けてきた豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)は今、次の段階に進もうとしている。それは飼育下にあるこの希少な鳥に、野生で生きる術(すべ)を身につけさせることだ。
アジアに広く分布するアカモズのうち、亜種は日本で繁殖し、冬を東南アジアで越す渡り鳥だ。北海道と本州に生息し、その数の少なさから環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。
主に長野県にいる本州のアカモズは、以前は2026年にも絶滅すると予想されていた。現地での保全活動の甲斐もあり、現在の生息数は90羽ほどを維持しているという。
同パークでは親鳥が放棄した巣などから卵を採取し、ふ化させた上でヒナを育てる「人工育雛(いくすう)」に23年に世界で初めて成功した。これまでに計29羽を育てた。一部は他の動物園に移動させ、保全の取り組みを広げている。
毎年10羽前後の人工育雛を行い、「順調だ」と同パークの吉川雅己獣医師は胸を張る。「今後は野生復帰を視野に進める」と言う。26年度以降、飼育しているアカモズに餌を取ったり敵から逃げたりといった、自然の中で生きていくために必要な訓練を始める。野生下に放す時期は未定だという。
アカモズについてもっと多くの人に知ってもらおうと、今月21日には共同で保全に取り組む人間環境大学(岡崎市)の学生が解説役を務めるコラボイベントが、園内のバードエリアで開かれる。
午前9時から会場で整理券を配り、10時に開始。その後は30分刻みで午後にかけて計11回実施する。オリジナルの缶バッジ作りも体験できる。参加無料(入園料などは別途必要)。