文化庁「100年フード」/麺類組合「誇るべき文化」全国発信/「うどんの町」栄える未来目指して
2026/03/22

「にかけうどん」をPRする戸倉理事長(豊橋市内で)
豊橋市や三河地方の郷土料理「にかけうどん」が2月末に文化庁の取り組む「100年フード」の認定を受けた。豪勢なトッピングや手間暇かけた味付けなど、東三河の「うどん文化」を象徴する1品。市内のうどんそば店で構成する「豊橋麺類組合」は、「誇るべき文化を全国に発信したい」とPRしている。
「100年フード」は、文化庁が各地で世代を超えて受け継がれている食文化に認定証を交付。「にかけうどん」は、同市で「豊橋ちくわ」に次ぐ2例目の認定となった。魚介だしの利いたつゆにもちもち食感の麺が特徴。かつお節やゆで野菜、カマボコなども載り食べ応えがある。
全国各地で「素うどん」に相当する1品。豪華な盛り付けや「赤つゆ」と「白つゆ」での味わい方、「にかけ」という名称も地域固有の文化だという。
豊橋麺類組合はSNSやネットを通じて「にかけ」を若者向けに広める活動を行う意向。戸倉信一郎理事長(54)は「豊橋はうどん文化が分厚く、多くの人に知ってほしい」と話している。
◆固有文化の継承
2010年に組合や豊橋観光コンペンション協会は「豊橋カレーうどん」を発売。当初は「にかけ」も候補に挙がっていたという。カレーうどんの知名度が定着した中、組合はより文化的な側面の強い「にかけ」を周知するため「100年フード」に応募した。
戸倉理事長は、明治17(1884)年創業の「東京庵」店主。約20年前の結婚を機に豊橋へ移住した。店を営みながら特有文化の高い価値と、独自色の強さに自覚の薄い地域性を客観的な視点で感じ取ってきた。
組合加盟は50店舗。自家製麺を使った幅広いメニューや毎日のだし取り、うどんとソバを同時に提供できる店舗形態まで「他の地域では当たり前ではない」という。
近年は高齢化などを理由に店を畳むうどん屋が増え、新規開店はない状況が続いている。一過性ではなく、文化を継承することで豊橋が「うどんの町」として栄える未来を思い描く。
戸倉理事長は「多くの人が、うどんを食べに訪れる町となって市や店が潤うようになってほしい」と希望を語る。