ものづくり日本大賞で評価

技科大・本多電子が共同開発/「超音波顕微鏡」経済産業大臣賞を受賞

2026/04/09

経済産業大臣賞を手渡された小林さん(左から3人目)ら(提供)

 豊橋技術科学大学の吉田祥子特任教授と穂積直裕名誉教授らが本多電子(豊橋市)と共同開発した「細胞三次元観察用超音波顕微鏡」が、第10回ものづくり日本大賞の経済産業大臣賞を受賞した。光の代わりに超音波を使い、細胞内部の硬さ(弾性)を世界で初めて非破壊かつ三次元で計測、表示することに成功。再生医療やがんの術中診断などへの応用が期待される。

 従来の光学顕微鏡は細胞を染色や固定処理する必要があり、生きた状態での内部構造の観察には限界があった。これに対し、新開発の顕微鏡は高周波の超音波を細胞に照射し、その反射波形から「音響インピーダンス」と呼ばれる指標を解析。指先で物に触れるような感覚を画像化し、細胞内の核やタンパク質の分布を「弾力」の差として三次元的に描き出せる。

 この技術により、iPS細胞などが分化する過程での内部構造の変化や、がん細胞に対する抗がん剤の効果を、リアルタイムの動的な生理反応として捉えられる。顕微鏡は既に製品化されており、創薬分野での薬効スクリーニング試験など、幅広い医療現場での活用が見込まれる。

 両者は2002年から共同研究を開始し、2025年には包括連携協定を締結。6日の定例会見には吉田特任教授が本多電子の小林和人研究部部長とともに出席し、「手術中に採取した細胞の検査には染色などの複数工程が必要だったが、この方法ならその場で数値化して迅速な術中診断ができる」と、実用化が始まっている実例を紹介した。

細胞三次元観察用超音波顕微鏡

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細胞三次元観察用超音波顕微鏡

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