「イノベーション・コモンズ」整備計画コンペ/豊橋技科大50周年事業 中庭刷新交流拠点に
2026/04/09

学生が交流、滞留する中庭
豊橋技術科学大学は、創立50周年事業の一環として進める中庭空間を刷新する「イノベーション・コモンズ」整備計画のコンペで、ともに建築・都市システム学専攻博士前期課程1年の美馬好大さんと吉本遥泉さんの作品「通過の余白」を最優秀賞に選んだ。
同コンペは3月、「人が自然と集い、学びと交流が生まれる『大学の顔』」の創出をコンセプトに実施。中庭はこれまで、夏の強い日差しや冬の強風といった厳しい気候条件が課題で、屋外で過ごす学生や教職員は少なかったが、最優秀作品は科学的なアプローチで課題解決を試みた点が高く評価された。
提案では、夏の熱ストレスや冬特有の強風などの環境データを詳細に測定し、可視化。均質だった空間を、季節や時間に応じて可変的な「快適域」へと再編し、学生らが交流、滞留できるスペースに生まれ変わらせる。
高さ4・2メートル、5メートル四方の「グリッド」を単位とした空間構成を採用。床面の放射熱を抑える段床を敷いたグリッドを100個ほど中庭に設置する。夏は屋根や植栽で日射を遮りつつ風を取り込み、冬は風を遮り暖かい光を採り入れるなど、場所ごとに最適な滞留スペースを配置する。福利施設前と中央広場の2カ所に拠点を設け、雨にぬれずに移動できる連絡通路やスロープを整備。イベント利用も想定し、地域住民も使いやすい開かれた空間を目指す。
定例会見に出席した美馬さんは「熱ストレスから4段階の空間を構成し、季節、時間、場所 に応じた適切なレベルを選択できる」と設計のポイントを説明した。
作品は実際の施工設計に反映される予定で、美馬さんらも設計事務所の業務に参加する。