初作品が国際映画祭へ

新城出身の田中さん、短編アニメ「Bucketman」制作

2026/04/14

作品のワンシーン

 6月にフランスで開かれる世界最大級のアニメの祭典「アヌシー国際アニメーション映画祭」で、新城市富岡出身の田中孝弥さん(28)=作家名ヤカタカナタ=が手掛けた短編「Bucketman」(バケットマン)が上映作品に選ばれた。本格的なアニメ制作に初めて挑んだ田中さんは、いきなりの快挙に「まさかアヌシーで選んでもらえるとは」と驚きつつ、世界へ踏み出す喜びをかみしめている。

 空想遊びが好きな子供で、よく絵を褒められた。名古屋の専門学校でCG(コンピューターグラフィックス)を学び、現在は東京のCG制作会社に勤める。

 作品は7分20秒。主人公はバケツをかぶった男で、幼い頃から頭の中にいたキャラクターを起用した。昨年2月から1年間、終業後や休日を使い、同僚の助けも借りながら仕上げた。

 舞台は、人々がバケツをかぶって暮らす街だ。しかし、主人公は転んだ拍子にバケツが外れ、それまで目をそらしてきた道端の老人を思わず見つめてしまう…。

 社会のさまざまな出来事に見て見ぬふりをしたくないとの思いを込めた。「自分の世代だと、政治的なことを言うと変な人みたいに扱われてしまうけれど、そこに違和感があった」

 映画祭には多くの部門があり、これまでに発表された今年の短編作品のうち、日本人のものは5点という。バケットマンは、独自の視点や新しい表現方法に重きを置いたパースペクティブ部門17点の一つに選ばれた。

 他の作家は名の通った人ばかりだが、気後れした様子はない。現地に招待されていて、関係者と人脈を築けるのを楽しみにしている。

 とはいえ、自主制作で食べていくのは厳しい業界。今後も働きながら技量を磨いていくつもりだ。「どんな形であれ、自分の作品をずっと作っていきたい」と未来を描いている。

Bucketmanを制作した田中さん(新城市役所で)

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