新城市富岡地区の戦争遺跡を確認調査
2026/04/23

砲台跡と伊藤さん(新城市中宇利字瓜山で)
新城市八名郷土史会は、名古屋市見晴台考古資料館学芸員の伊藤厚史さん(64)とともに20日、同市中宇利字瓜山地区に残る戦争遺跡の確認調査を行った。終戦前の砲台跡や塹壕跡などとともに、宇利峠を越える古道などを確認した。
伊藤さんは昨年12月から今年3月にかけて同市富岡地区に残る終戦前「本土決戦」に備えた戦争遺構を会員らとともに現地調査した。その結果、浜松市と接する宇利峠周辺で戦時中の砲台や車両、物資の保管に使われたと思われる壕(ごう)の遺構が多数見つかった。
今回は、瓜山陣地に残る砲台跡、塹壕跡など10箇所を丁寧に確認した。下草や枯葉に覆われた道なき斜面に、数㍍の砲台跡や塹壕がしっかりと残っている。伊藤さんによれば、砲台は2つがペアで、終戦により工事途中で終わったが、砲台同士をトンネルで結ぶ予定だったという。
太平洋沿岸からの米軍上陸に備えて、迎え撃つ砲台の位置、方向などが考え抜かれている。後方からも米軍を攻撃しようとする配置場所もあり「最後まで苦しめようという必死さが伝わってくる」と思いをはせる。
途中、宇利峠を越える江戸以前の古道(三ヶ日街道)や茶屋跡と思われる平地を確認することができた。道は上り、下り別々になっている場所があり、茶店跡と思われるに平地に通じる道もあった。伊藤さんは「道がしっかりと残っていて、交通遺跡としてたいへん貴重」と話した。
安形茂樹会長は「伊藤先生には、自分たちでは見つけられない遺構や遺跡を、専門的な知識を持って見つけ解説いただきありがたい」と感謝した。
伊藤さんは「これからも調査を続け、まだ見つかっていない遺構を探したい」と意欲を燃やす。