王子のジュークボックス
【1999】
2026/08/09

1999年7月に世界は終末を迎える、というノストラダムスの大予言から着想を得たこの曲は1982年の作品。今となってはバカバカしい話だが、当時は結構な割合の人が大人も子供もこの予言を信じていた。アメリカとソ連の戦争が勃発し、核爆弾によって人類が滅びるのでは?と危惧していたからだ。派手なファンファーレを思わせるシンセのイントロの後に小気味良いギターカッティングが続く。当時のプリンスのバンドは、男女混合かつ黒人白人がミックスされたメンバー構成。冒頭を白人女性が歌い、次に黒人男性、その次にプリンス、とマイクリレーで歌が繋がっていく。
この頃は黒人アーティストのMVはテレビで流さないという明確な差別が残っていた時代。人種の垣根を崩すことには双方のコミュニティから反発もあっただろうが、プリンスは忖度とは無縁である。
2000年になったら時間切れ。どうせ死んでしまうなら今夜は1999年みたいにパーティーをしよう!と歌う。ライブでは大合唱になる鉄板曲だったが、2000年を境にプリンスはこの曲を封印した。
エンディングではドラムだけが鳴り「マミー、どうしてみんな爆弾を持っているの?」と幼い子どもの声で2回繰り返して終わるのが印象的だ。世界が滅びる大予言についての歌に見せかけた反戦歌と解釈するのが妥当だろう。
今日8月9日が何の日だったか思い出しながらこの曲を聴いてみてほしい。
(自称プリンス学芸員 ひろあつ)
※次回9月13日掲載予定。