国から特区認定PR効果に期待/「豊橋ワイン」生産始まる
2026/08/10

ワイン製造を始めた岩瀬代表㊧と、住民がワイン造りを体験(いずれも豊橋市石巻西川町の「とよはしワイナリー・チロル」で)
豊橋市内で初となるワイン醸造施設「とよはしワイナリー・チロル」の完成式典が8日夜、同市石巻西川町で開かれた。市が昨年に国から認定を受けた「ワイン特区」に伴って施設が完成。ブドウと柿の収穫から製造までを担い「豊橋ワイン」ブランドを売り出していく。運営する岩瀬宏二代表は「豊橋の人たちを巻き込んで名産ワインを作っていきたい」と意気込む。
◆念願かなう
ブドウや柿などの果樹園「チロル」がワイナリーを開設。木造2階建てで、ワイン用に果実を搾る圧縮機や果汁をためるタンクなどを設けた。この日は完工式を行い、地域住民を招いて見学会も実施。参加者は収穫したブドウを搾る作業を体験し「豊橋ワイン」造りの一歩目に立ち会った。
数カ月間かけて醸造し、来年1月に市内の飲食店でロゼワイン約200本の販売を始める。今後は、次郎柿の白ワインやマスカットを使った赤ワインも生産していく。
同社は約10年前からワイナリーの建設を構想。稼働日は縁起をかついで「令和8年8月8日」とした。
岩瀬代表は「長年の思いがかない、ゴールした気分だが気を引き締めたい」と先を見据える。建物や設備は地元業者が施工。商品のラベルデザインも市民が手がけていく。
今後は生産過程を示す「ストーリー性のある」商品や珍しい次郎柿のワインも販売して豊橋ブランドの名を高めていく。岩瀬代表は「地元の人たちと一体となって励みたい」と話している。
◆活性化の起爆剤として期待
これまで果樹園で収穫したブドウは、小牧市のワイナリーを介して商品ワインとなっていた。「ワイナリー・チロル」の完成により施設で作った商品は「豊橋ワイン」の名で売り出すことができる。
豊橋は昨年6月に県内で4市目となる「ワイン特区」の認定を受けた。特区では、製造免許の取得に必要な年間のワイン製造量が、通常の6キロリットルから2キロリットルへと緩和される。
今後は、市内農家が収穫したブドウや柿を使ったワイン作りも視野に入れる。加工用果実の効率的な利用や、燃料費高騰などに悩む農家経営の新たな指針となる可能性も秘める。
来年春には、ワイナリー近くの市北部に東名高速道路インターチェンジが開設予定。県内外から豊橋を訪れる人が増えると見込まれる。
市の担当者は「ワイナリーは豊橋をPRする起爆剤となり得る。新たな名産品となるように協力していきたい」と期待を込める。