教えて!乳がんのこと
麻木久仁子さん質疑応答(回答者)
2013/10/14
麻木久仁子さん
質問/乳がんとわかった時、どのように感じましたか(豊川市、M・Mさんより)
回答/最初、「乳がんかもしれない」と言われた時は本当にショックでした。数年前に人生のゴタゴタがあり、仕事もちょっとガタガタしちゃって、おまけに軽い脳梗塞までやったものだから、心身ともに少しくたびれていたのですが、「よしもう1度元気出してがんばるか!」と思った矢先のことだったので、「えー本当に?」と非常に驚いたことを今でもおぼえています。
しかも、前述の通り、私の場合、乳がんと確定するまでに結局2カ月程度と時間がかかったので、その間すごく不安で落ち着きませんでした。でも、最初の先生の顔つきとか雰囲気、いろんな検査をしていくうちにだんだんと「これはもう限りなくクロ(乳がん)に近いな」と覚悟しましたが、それでも先生からは確定が出されない。最後はもう「早くシロ・クロはっきりさせてください」という気分でしたが、それと同時にだんだんと、ここまで確定できないということは、それだけ早期なのだとも思えるようになりました。
幸い超早期で見つけてもらいましたが、乳がんになって感じたことは、「毎年検診を受けていてよかったな」ということと、「やっぱり誰でもがんになるのだな」ということ。次に胃がんとか別のがんになってもおかしくないし、これからもいろんな病気になる可能性はあるのだな、とすごくリアルに感じました。
がんセンターではたくさんの人が朝から行列作っているし、すれ違うひとみんながんなんですよ。そういうのを見ていて、人間、いつなんどき何が起こるかわからない。がんは多くのひとにふりかかるし、思いも寄らない時、いつ誰にふりかかるかわからない。がんだけじゃなくても「え?」と思うことが、あなたにも私にも突然ふりかかってくる。人間て、あつかましくて、なんとなく自分だけは平気。2人に1人はがんになる時代と言われていても、自分はならないほうの半分じゃないかと思っちゃったりしてね。でもそんなことはないのだと思いました。