蒲郡市が新たに文化財登録

天桂院が所有する「涅槃図(ねはんず)」/近世初頭の貴重な資料

2017/08/29

 蒲郡市は、同市蒲郡町の寺院、天桂院(てんけいいん)が所有する「涅槃図(ねはんず)」を、新たに市指定文化財に登録した。図は、旧吉田藩の領主であった竹谷松平家に伝わり、慶長12(1607)年の作品とされる。近世初頭の貴重な資料として指定が決まり、市博物館で12月に公開される予定だ。

市指定では20年ぶり

 涅槃図は、釈迦(しゃか)の臨終を、弟子や動物たちが嘆く姿を表現した図。吉田藩の藩主だった松平家清の娘が、祖父・清宗の冥福を祈り、天桂院の前身である寺院「全栄寺(ぜんえいじ)」に奉納した。

 市は7月に指定への審議を行い、今月24日に新規指定が決まった。市文化財の指定は、1997年の坂本町の「勝膳寺の参道石段」以来、20年ぶりとなった。

 図の大きさは、縦2㍍37㌢、横2㍍。作成日などが記された裏書には、寺に奉納した時期や経緯などが記されている。作者は不詳で、混乱を伴う戦国期に作られた文化財は希少とされている。

 竹谷松平家は、釈迦の尊い姿を重んじる曹洞宗を信仰。吉田藩では3万石の領主で、先祖の位牌(いはい)は、吉田城近くの全栄寺にまつられていた。男系の血縁が途絶えたため、幕府の命により領地が蒲郡に移り、寺院の名称も後に「天桂院」となった。

 指定された涅槃図は、鮮やかな色使いが施され、保存状態は良好だという。市博物館の平野仁也学芸員は「領主の格式にふさわしい質の高い図」と解説する。

市は博物館で12月の週末に涅槃図の公開を予定している。

2017/08/29 のニュース

市文化財に指定された「涅槃図」(蒲郡市提供)

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