問われる人口減少対策

【新城市長選の争点㊤】少子化と教育現場/地域の特色を生かした取り組み

2017/10/24

 旧3市町村合併や市民病院問題、市役所新庁舎建設に注目が集まった過去3回に比べ、今回の新城市長選挙は「明確な争点がない」とされている。そんな中で約4万人の有権者が懸念を抱くのは、消滅可能性都市の烙印(らくいん)を押され、市民の不安を増大させる人口減少の問題だ。少子化の影響を直接受ける教育現場では、地域特性を捉え小規模校のメリットを最大限に生かし、次代を担う子どもたちと向き合っている。

 新城市の人口は、1985年の約5万5000人を分水嶺に減少が進み、毎年約500人ずつ減り続けている。中学生以下の人口は合併後10年間で約2000人以上も減った。

 市内小学校は、4年前に山吉田小と黄柳野小を統合。作手地区は4校が廃校となり、中心部に作手小を新設。鳳来地区でも統廃合が進められるなど、人口減少の余波は教育現場に影響を与えている。

 現在、市内6校が児童100人未満となり、鳳来東小や庭野小など複式学級を行う学校の統廃合が進む可能性はある。

 市内13小学校のうち2番目の規模となる約350人の児童が通う新城小は、今年開校130周年を迎えた。全学年が2クラスで学校行事や課外活動、体験活動が盛んに行われ、地域の人々との交流を図る校外学習も特色のひとつとなっている。

 教員1人当たりの児童数は26~31人程度。以前と比べ教師が子どもたち1人ひとりに気を配り、細かな支援がしやすい状況だ。

 35年前、夏目真治校長が新任教師の頃は児童が約880人いた。教育事情が異なり一概に比較できないが「学校では毎日体当たり。あふれるほどの教室はいつもにぎやか」だった。

 あれから児童は約半数に減った。避けて通れない人口減少と向き合う中で、夏目校長は「学校に求められるニーズの変化を捉え、地域に根差した特色ある教育を心掛けている」。

 自然に触れながら特産物を育てる体験学習、通学区域外に通学できる特認校制度、小中学校の縦横連携から人間関係を学ぶなど、子どもが減ったデメリットを逆転の発想でメリットに転換している。

 子どもが減ってはきているが複雑化する家庭環境への対応はむしろ必要となった。「従来と異なる指導や知識の必要性を感じた。一般的な教育ではなく、子ども1人ひとりが成長できる方法、臨機応変な指導が求められている」と話した。

 出生率が県平均を下回り、20代の市外転出は増え続けている。一方、新城版こども園事業で幼少人口が微増している地区もある。過渡期を迎えた同市に必要なのは地域特性を生かした持続可能な人口政策。その鍵は、身近な教育現場にあるのかもしれない。

2017/10/24 のニュース

児童減少に伴い学校の役割も変わってきた

有料会員募集

東三河の家造り「住蔵」

連載コーナー

ピックアップ

東三河見ごろ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.