豊橋市で総合防災訓練

表浜海岸では新避難路で津波想定/“渋滞”や滑りやすさなど 整備に課題も

2018/09/03

 豊橋市は2日、市内3カ所で総合防災訓練を行った。消防や警察、自衛隊などによる南海トラフ地震を想定した合同訓練や小学校での避難所開設訓練のほか、海岸利用者が新たに整備した避難路で津波を想定した避難訓練を行い、万が一に備えた。

 表浜海岸の訓練会場では、砂浜の背後にある丘の上まで、茂みを切り開いた避難路で津波避難訓練を実施。地震発生の合図でサーファーや地元住民など約30人が一斉に林道を駆け上がった。標高41メートルの高台まで早い人で6分半、遅くても8分で到着した。
県の予想では最短9分で津波が到達するとされる。

 海岸保全に取り組むNPO「表浜ネットワーク」によると、同海岸のうち豊橋市の区間には、内陸の高台と砂浜をつなぐ道路が1キロおきにある。ただし、どのルートもやっと車がすれ違えるほど道幅が狭く、サーファーや釣り客でごった返す夏場は特に津波発生時の避難を危惧する声があった。

 同ネットワークが中心となり新たな避難路作りを計画。丘の土地の所有者らと交渉し、整備にこぎつけた。田中美奈子事務局長は「地元の理解を得て、2本目、3本目と避難路を増やしていきたい」と話す。

 1本目の避難路は急傾斜なうえ未舗装で、前日の雨で地面が滑りやすくなっていた。地元から訓練に参加した小沢校区自治会の原田孝志(たかゆき)さん(57)は「前を行く人が立ち止まると、後ろの人は進めなくなると分かった。今後、避難路を整備するうえでの課題だ」と指摘した。

豊橋市 災害・困難に立ち向かえる体制構築図る

 2日の豊橋市総合防災訓練は、倒壊家屋から生存者を助け出し、屋上にいるけが人をヘリで救出するなど実践さながらの訓練となった。

 豊橋総合スポーツ公園野球場では、消防や警察、自衛隊、防災関係機関や地元住民など計31機関の約380人が訓練に参加。救助や避難の動きを実際に行い、地震発生直後、どのように行動すべきかを確認し合った。

 人命救助訓練は土砂に埋まった倒壊家屋に負傷者や生存者数人が取り残されたとの想定で行われた。

 現場に到着した消防隊員は、負傷者を処置して担架に乗せる手順を実践。自衛隊員は土砂をスコップで取り除いて空間を作り、生存者に声をかけながら外に誘導していた。

 訓練終了後、佐原光一豊橋市長は「災害やそれに伴う困難に立ち向かうことができる体制をしっかり作りたい」と呼び掛けた。

 吉田方小学校では、校区内の住民や障害者のほか、警察、自衛隊、消防など27機関計約1200人が参加する地域挙げての防災訓練となった。山本晴久・校区自治会長は「南海トラフ地震の発生率が高まっている。訓練を通じ、生き延びる知識を学んでほしい」と呼び掛けた。

 訓練では、自主防犯団体の吉田方青パト隊(津坂治快隊長)の車両が警戒のため校区内をパトロールし、県警ヘリが小学校屋上にいる重傷者を救助した。応急救護所ではけが人を手当てし、物資を積み込んだ輸送車も到着した。

 避難生活を送るため段ボールで「住まい」をつくり、地震体験車では揺れを体験していた。初めて参加した障害者の一人は「貴重な体験で万一の時に備えたい」と話した。

豊川市 自主防災活動活発化へ市内3カ所に分散

 豊川市は2日、南海トラフ地震を想定した総合防災訓練を行った。自主防災活動を活発化させようと初めて会場を市内3カ所に分散した。

 訓練はマグニチュード9・0、震度6弱~7の地震が発生し、家屋の倒壊や火災、道路の崩壊、孤立集落の発生などを想定して行った。44団体から総勢約1100人が参加した。

 メーン会場の金屋西町の陸上自衛隊豊川駐屯地訓練場では、災害対策本部の設置、倒壊家屋からの救出や避難所運営、消火、救護などの訓練を行った。

 市内の畳店3社は避難所に畳6枚を届けた。全国の畳店有志が災害時に新品の畳を無償で提供する「5日で5000枚の約束。プロジェクト実行委員会」の活動で、豊川は東三河に先がけて2015年に協定を結んだ。

 第2会場の中部小学校では避難所運営のシミュレーションゲーム「HUG」を実施。第3会場の御馬、伊奈両地区では津波の浸水を想定し避難訓練を行った。

 山脇実市長は「地震や豪雨と全国で多くの災害があり、きょうの訓練は重要。安全安心な街づくりに協力を」と呼びかけた。

2018/09/03 のニュース

林道の避難路を登る訓練参加者(豊橋市小松原町で)

訓練で土砂に埋まった家屋から生存者を外に誘導する自衛隊員ら(豊橋総合スポーツ公園野球場で)

警戒のため出動する青パト隊の車両(吉田方小学校で)

初期消火訓練を行う市民(豊川市金屋西町で)

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