技科大学生ロボコン初の３連覇

東大下しＡＢＵベトナム大会日本代表に決定

2024/06/11

豊橋技術科学大学が優勝を決めた瞬間（東京都大田区の日本工学院アリーナで）

　東京都内で９日に開かれたロボット競技会「ＮＨＫ学生ロボコン」で、豊橋技術科学大学ロボコン同好会が決勝戦で東京大学を破り３年連続の優勝を果たした。３連覇は大会史上初で、最多優勝記録も９回に伸ばした。８月にベトナムで開かれる「ＡＢＵ（アジア太平洋放送連合）ロボットコンテスト」の日本代表にも決まった。

　大会には事前審査を通過した18校が出場。予選リーグで豊田工業高等専門学校、信州大学と同組になった技科大は、２試合とも１分半程度でのＶゴールで完勝した。自動制御ロボットの不調に苦しむチームが多い中、トラブルもなく予選で唯一Ｖゴールを達成し、圧倒的強さを見せ全体１位で決勝トーナメントに進出。準々決勝（早稲田大学）、準決勝（新潟大学）でも危なげないＶゴール勝ちで決勝へ進んだ。

　決勝で対戦する東大は技科大に次ぐ優勝７回を誇り、２０１６年と18年の直接対決では技科大が苦杯をなめた宿敵。今大会は準決勝で最速Ｖゴールを決め、技科大を上回るスピード性能を発揮して決勝まで勝ち上がってきた。

　互いが最強ライバルと認め合う試合は、自動ロボットがボールを入れる筒を奪い合う、決勝にふさわしいハイレベルな戦い。膠着（こうちゃく）した展開から共にＶゴールを達成できないまま点数勝負にもつれ込み、最後は技科大が序盤のリードを守って３連覇を達成した。

　学生ロボコンでは過去に技科大と東大が２連覇を果たしていたが、３連覇は今回が初めて。

　悲願の３連覇を達成した同好会の宮下功誠代表（４年）は「大会までにプレッシャーを感じた時期もあったが、当日はワクワクしていた。猛練習が生きて優勝できたと思う」と喜び、ＡＢＵ大会に向けては「ロボコンの人気が高いベトナムで戦えるのが楽しみ。豊橋が最強だということを世界に示したい」と力強く語った。

　競技会の模様は７月15日午前10時５分から、ＮＨＫ総合テレビで放送される。

技科大が圧倒的パフォーマンスを見せた予選（東京都大田区の日本工学院アリーナで）

キーワード【ＡＢＵロボコン】

　８月25日にベトナムで開かれ、ＮＨＫ学生ロボコンの優勝校が日本代表として出場する。

　ロボコンの競技ルールは毎年変更され、今年は開催国ベトナムが稲作「ハーベスト・デイ」をテーマに考案した。２台のロボットが協力して、苗に見立てた塩ビパイプとボール型の籾（もみ）を所定の位置に移す競技。自動制御の１台が色を識別しながらボールをサイロ（筒）に入れてＶゴールを達成するか、時間内に２台が運んだ苗と籾を得点化し、その多い方が勝ちとなる。