17日船出の長坂新市政/〝難所〟新アリーナ駆け引き活発化
2024/11/15
豊橋市議会は新しい市長に、どう相対するのか
17日に豊橋市長に就任する元市議の長坂尚登氏は、これまで「本当の無所属」と名乗ってきた通り明確に組織的な支援を受けず初当選した。これから向き合う市議会は、市長選で対立候補を推した勢力が多数を占める「ねじれ状態」。争点の一つになった多目的屋内施設(新アリーナ)計画などをめぐり、新市長として難しい対応を迫られる可能性がある。
定数36の市議会で、最大会派の自民には18人が所属。市長選で同市議団は、元市議会議長の近藤喜典氏を担いだ。長坂氏の就任を前に、小原昌子団長は「今のところ市長としての考えを聞く機会がない」と指摘。課題が多岐にわたる市政に、是々非々で臨む姿勢を示す。ただ、市長選でクローズアップされた新アリーナ計画には賛成の立場で、計画中止を主張する長坂氏とは意見を異にする。
ほかの市議会会派では、現職の浅井由崇氏を市長選で支援した公明(5人)や民主系「まちフォーラム」(3人)も、豊橋公園に新アリーナを整備する方針に賛成してきた。
一方、今回の市長選で長坂氏側についたのは、同氏も属していた会派「新しい豊橋」の市議。市長選と同日実施の市議補選を経て現在4人が所属する。それ以外に新アリーナ反対運動などで市議時代の長坂氏とたびたび同じ行動をとった共産(3人)を含めても、市議会内で長坂氏に加勢し得るのが少数派であることに変わりはない。
浅井市長も、4年前の市長選で自民などが推す前市長を破った経緯から任期中、目玉公約の議会審議に困難が伴った。2代続けて市長と市議会の「ねじれ」が生じる事態に、市政の主導権をめぐる駆け引きが活発になることも予想される。