あすから年末まで豊橋署/詐欺被害撲滅へ気軽に利用を
2024/12/08
署の窓口で休止手続きを受け付ける(豊橋署で)
特殊詐欺の被害を防ぐため、豊橋署は9日から、固定電話に入る海外からの着信を拒否する手続きをサポートする取り組みを始める。署1階ロビーで、休止に必要な申請について助言して被害根絶を目指す。土日も受け付けており、午前9時から午後5時。31日まで行う。
県内の警察署で初の取り組み。窓口に来た市民へ、休止手続きに必要な身分証明書の準備の仕方や申請方法などを伝える。利用者にはミカンとレモンをプレゼント。「俺ん家(オレンジ)はだまされんもん(レモン)大作戦」と銘打って気軽な利用を促している。
全国的に海外からの発信とみられる詐欺の前兆電話が多発している。「+1」や「+44」などから始まる番号の着信が入り、電話に出ると音声ガイダンスを通じて詐欺グループの「かけ子」につながって現金を要求される手口が目立つ。
全国の都道府県警は、休止手続きを行う「国際電話不取扱受付センター」への申請を勧めるが、現状は認知度が低いという。
そのため署は窓口での対応を企画。手続きの後にセンターの宛名が入った封筒を手渡し、郵送のみで完了できる体制を整えている。竹村賢二署長は「署に来ていただければ手間なく手続きできる。多くの人に足を運んでもらいたい」と呼びかける。
◆全世代の申請を手助け
市内では10月末時点で特殊詐欺被害が計34件発生。約7921万円がだまし取られている。息子などを名乗る者による「オレオレ詐欺」の手口が19件で最多。主に高齢者宅に電話を入れ、言葉巧みに現金を要求してだまし取る手口が相次いでいる。
署に被害申告をしていない市民もいるとみられ、今後も発生が懸念される。犯人側と通話しないことが重要で、署は手続きに来た住民には市の補助金で購入できる「被害防止機能付き電話機」の利用も広報。市外住民も受け付けている。
豊橋市内では連日、多数の前兆電話が確認されている。竹村署長は「若い人から高齢者まで特殊詐欺への対策を取っていただきたい」と話している。