困難な環境下で安定した通話確認

JVCケンウッドなど3社/ラリー三河湾で無線通信の実証実験

2025/03/27

手前が業務用無線機、奥は「Starlink Business」のパネル型アンテナ機材(提供)

 今月初旬に蒲郡市で開かれた自動車競技「ラリー三河湾」で、JVCケンウッド(神奈川県)は無線通信の実証実験を行った。その結果、無線通信が困難な高低差のある環境でも、広範囲で安定した通話ができることを確認したと発表した。

 同社製の業務用無線システムと、ソフトバンクが提供する衛星ブロードバンドインターネットサービス「StarlinkBusiness(スターリンクビジネス)」の通信連携について検証した。

 業務用無線システムは、国内のラリーやサーキットレースをはじめとするモータースポーツで、「モータースポーツ無線協会」(MoSRA)が提供する専用無線通信に使用されており、安定した通信や騒音の中でも会話できるクリアな音質と、ノイズキャンセリング技術などが高く評価されている。

 一方で、ラリーのコースは山間部が中心で、電波の特性上、無線通信が困難なエリアが一部存在することから、MoSRAの依頼を受けて、ソフトバンクとMoSRAと共同で実証実験を行った。

 実験は、大会本部と無線通信が困難な高低差のあるコースエリアに機材を設置し、無線通信の音声をインターネットで送受信できる通信データに変換して通信を実施。その結果、不感エリアが解消されて、より広範囲で安定した無線通信が可能となり、円滑な大会の運営に貢献できることを確認した。

 今後は、今回の実証実験で検証した通信連携をソリューションとしてモータースポーツ向けに提案していく。また、同ソリューションのデータ通信機能を利用することにより、ラリーカーの通過タイムを自動計測するシステムの開発も実施している。

 さらに同ソリューションを応用して、防災用途などでの活用も推進していく。無線は災害時でも通信インフラの影響を受けないため通信手段として有効だが、通信エリアが自営回線の電波到達範囲内に限られている。同ソリューションを応用することで、自営回線の通信エリア外でも無線通信が可能となり、遠隔地の指揮拠点と現場の間などにおけるコミュニケーション手段として活用することを目指す。

当日の様子(提供)

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