つつじが丘保育園開園式

学生コンペでのアイデア生かした園舎設計/若い感性と理想形に―関係者ら完成祝う

2025/04/03

中庭「みんなのニワ」の周りを、深い軒が囲う「さんぽミチ」(つつじが丘保育園で)

 豊橋市立つつじが丘保育園(同市佐藤5)で2日、開園式があり、関係者らが出席して完成を祝った。全国的に珍しい試みとして、公共建築である園舎の設計に学生が携わった。若い感性で自由に思い描いた理想が形になった。

 開園式には、市の関係者や保護者、建設業者らが列席。あいさつに立った高田洋子園長は「子どもたちの笑い声が響き、笑顔があふれる保育園にしていきたい」と述べた。

 築40年以上が経った新吉(しんよし)保育園(同市新吉町)の老朽化に伴い、新築移転した。園舎は木造2階建てで、延べ床面積は約900平方メートル。中心に配置された「みんなのニワ」と呼ばれる中庭を、日差しを遮り雨を防ぐ深い軒を備えた「さんぽミチ」という縁側がぐるりと囲い、屋外と屋内が緩やかにつながっているのが特長。ぬくもりを感じられるよう木の柱や梁(はり)は、あえて見せる造りになっている。総事業費は約6億9000万円。

 新吉保育園から継続の22人と、新たに入園した47人の計69人の0~2歳児が通園する。園では移転を機に、一時預かりと病児保育にも対応する。

 建物の設計には、建築を学ぶ学生のアイデアが生かされた。市は、公共施設整備の学生コンペティションを初めて開催。2022年4~6月に全国から応募があった114組の中から選考し、名古屋工業大学の3人のグループの提案を採用した。学生らは保育士らとの打ち合わせを重ね、設計図を仕上げた。23年12月に着工、今年2月に竣工した。

 グループメンバーのうち2人が開園式に駆けつけた。現在、大手建築設計事務所に勤める中山朋紀さん(25)は、アイデアが「形になったことに感動している」と感慨深げ。のびのびとした園児たちの姿を見て「理想的な使い方をしてもらえそうで、うれしい。長く愛される建築になれば」と期待を込めた。

 民間デベロッパーで働く原希望(のぞみ)さん(27)は、行政や園の関係者、業者といった多くの関係者と調整しながら思いを形にする難しさを経験し、それが今の仕事にも生きているとコンペを振り返りつつ語った。「豊橋の風土に触れながら、たくさん遊んで育ってほしい」と園児たちの健やかな成長を願った。

木のぬくもりを感じられる室内で過ごす園児たち(同)

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中庭「みんなのニワ」の周りを、深い軒が囲う「さんぽミチ」(つつじが丘保育園で)

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