北設3町村の小中学校で麺給食開始/志賀製麺所が豊橋から配達
2025/04/19
ソフト麺をほおばる児童 (田口小学校で)
「おいしい」「あったかい」―。設楽、東栄、豊根の北設楽郡3町村で今年度から月1回、小中学校の給食で麺類の提供が始まった。これまで麺を出す機会はほとんどなかったが、豊橋市の志賀製麺所が製造と配達を引き受け、実現した。18日が初回となり、ソフト麺をほおばる子どもたちに笑顔が広がった。
県内で食材供給を担う公益財団法人「愛知県学校給食会」が麺を扱い始めたのは1966年度。中華麺、きしめんなど種類を徐々に増やし、小麦を全て国産に切り替える工夫もしてきた。
麺は子どもの人気が高いそうで、県内各市町村に広がったが、配達に手間のかかる北設楽郡にだけは届けられていなかった。
しかし、3町村から要望もあり、給食会が志賀製麺所と交渉。雪の降る1、2月を除き、郡内の調理場と学校の計6カ所に配達することでまとまった。
同社から車で3町村を回って豊橋まで戻ると、道のりは約180キロになる。このため工場では、蒸気殺菌を兼ねた加温作業を朝5時から行い、給食に間に合わせるそうだ。
大変な仕事だが、志賀弘昌(ひろあき)社長は「温かいものをおいしく届けるのがうちのポリシー。初めて食べた子どもたちの感想をぜひ聞いてみたい」と前向きだ。
設楽町の田口小学校では18日、ソフト麺をミートソースと提供。6年の伊藤泰駕さんは「ソースと混ざっておいしい。思ったほど太くなくて食べやすい」と目を輝かせた。
教室で一緒に試食した土屋浩町長は「ソフト麺は私も初めて。おいしかったし、子どもたちが喜んでくれてよかった」と、新しい取り組みを歓迎した。