設楽囲碁クラブが記念大会
2025/04/24
数え年で100歳となった氏原さん㊨(設楽町で)
今月99歳となった設楽町田口の氏原良夫さんは大の囲碁好きだ。普段はにこやかなのに、対局中は真剣勝負に目つきが変わる。仲間とつくる「設楽囲碁クラブ」の最長老で、「氏原さんに鍛えてもらった」と慕う後輩たちが20日、数え年100歳を祝う記念大会を催した。
昭和が始まる年に町内で生まれた。若い頃は東京で消防士を務め、戦後は町に戻って60代まで建設会社で働いた。
今は妻と2人で暮らす。囲碁は60年ほど続けており、クラブの月例会に出ることと、自宅近くで野菜を育てるのが生活の張りになっている。
大会には本人を含め9人が参加し、総当たりで順位を競った。実力を加味したハンディがあり、氏原さんは強い方から3番目の200点。点数の少ない人は石をいくつか先に置けるため、誰もが上位に食い込めるやり方だ。
氏原さんはこの日、残念ながら1勝7敗。打っている間は険しい表情だが、逆転勝利すると笑みがこぼれ、投了するときも「アッハッハ。まいった、まいった」と明るく笑った。
「年を食うとやっぱり鈍くなる。この頃は『負けてもともと』という気持ちだ」。ぼやきを口にする一方で「勝てばうれしい。生きとるうちは囲碁を楽しみたい」と意欲は尽きない。
大会は「設楽町合併20周年記念」を兼ね、3位以上に町から賞状や賞品が出た。氏原さんには別途、クラブから色紙と景品を贈り、長寿を祝った。
優勝した金田和紀さん(84)は「私が勝ったのはハンディのおかげ」と控えめに話しつつ、「氏原さんがあの年で囲碁をやってくれることがうれしい。これからも元気で打ってほしい」と大先輩の頑張りをたたえた。