貯水率は平年の5割程度/豊川用水で6年ぶりの節水続く
2025/05/23
玉串を捧げた小久保理事長(新城市で)
豊川用水で6年ぶりの節水が続く中、水源である宇連ダム(新城市川合)で22日に恒例の水神祭があり、関係者が水の恵みと安全を祈念した。農業用水を管理する豊川総合用水土地改良区(豊橋市)の小久保三夫理事長は「今年も田植えが始まった。雨が降らないということで心配しており、水を大事に使っていきたい」と強調した。
同土地改良区が主催し、約50人が参列した。新城市の建部圭一副市長は「一日も早く雨が降り、貯水率が回復することを願っている」とあいさつした。
宇連ダムは1958年に完成し、有効貯水量は2842万立方㍍。水神祭は翌59年から、執り行われてきた。
流域では昨年12月以降、雨が少なく河川の水量が減少。水資源機構豊川用水総合管理所などでつくる協議会は4月18日、豊川用水の節水を開始した。節水率は農業、水道、工業とも5%で、配水圧力の調整などが行われている。
総合管理所によると、22日の宇連ダムの貯水率は43・6%。このところの雨で多少回復したものの、平年の同時期に比べ5割程度にとどまる。
総合管理所の担当者は「夏にかけて農業向けなどの水需要が高まる。まだ節水が必要だと判断している」と話す。
豊川用水には宇連ダムと大島ダム(新城市名号)があり、東三河5市と静岡県湖西市に水を供給する。
■三河材を活用
土地改良区の小久保理事長はこの日のあいさつで「300以上ある揚水機場(ポンプ場)の更新には、こちらの三河材を使わせていただく」と表明した。建屋を建て直す際、コンクリートではなく奥三河のスギなどを活用し、山林の保全につなげたい考えだ。