豊川高校演劇部/工廠の悲劇をテーマに熱演
2025/06/11
物語は現代の若者が戦争体験者に経験を聞く設定で展開された
豊川高校演劇部が8日、豊川市勤労福祉会館で開かれた豊川海軍工廠(しょう)跡地保存をすすめる会の総会で創作劇「すけっちぶっく」を披露した。工廠の悲劇をテーマにした熱演に、100人以上の来場者から拍手が送られた。
生徒らが創った演劇は、戦時中と現代の2つの時代で構成され、工廠に動員された女学生たちの日々を回想する。両親から贈られたスケッチブックを手に画家を志す山口あかねと、同僚で教師を志す山岡みどり、服飾デザイナーにあこがれる市川さつきの3人の友情を描き、やがて米軍による大規模な空襲があった8月7日を迎えるストーリー。部員らの熱演に、すすり泣く来場者もいた。
音響や照明などもすべて部員自ら務め、約1時間の演劇を表現。劇中では、いまも戦争が続くウクライナに関する内容もあり、演出を務め、山口あかねを演じた佐伯莉緒奈さん(2年)は「この3人の話は一物語に過ぎない。平和のために何ができるのかを考えるきっかけにしてほしい」と話した。
工廠の被爆から80年となる8月7日の市の平和祈念式典でも、発表する予定。
総会では、諏訪墓地の整備を市に要請するなどの今年度の事業計画や、引き続き伊藤泰正さんが会長を務める役員改正などが承認された。