春季労使交渉状況/1985年以降で最高額 アップ率4・72%/愛知県経営者協会が調査結果発表
2025/06/19
賃上げ妥結平均額とアップ率の推移(愛知県経営者協会調べ)
愛知県経営者協会は、会員企業210社を対象に実施した「春季労使交渉における賃上げ状況調査」の結果を発表した。賃上げ平均妥結額は1万4259円で、記録が確認できる1985年以降で最高額。アップ率は4・72%だった。
規模別では、従業員1000人以上の企業では1万6741円(5・21%)となりアップ率が5%を上回る一方、300人未満では1万631円(3・82%)と4%を下回り、大企業と中小企業との格差が拡大した。
定期昇給とベーアップ(ベア)を区別して実施すると回答した131社のうち、ベアを実施したとする企業は124社(71・7%)あり、平均金額は1万145円だった。1万5000円以上で妥結した企業が前年の5社から18社へ大幅に増加。ベアの配分は、「一律定額」(77社)が最も多く、「初任給の引き上げ」(50社)、「職務・資格別に配分」(31社)が続いた。
賃上げに際して考慮したことを複数回答で聞くと、「人材確保・定着」(121社)が最多で、「物価の動向」(104社)、「世間相場」(102社)と続き、防衛的賃上げを実施した企業が多かった。