「渥美あじさいの森」早くも彩り

名所目指し住民ら整備/太平洋臨む花景色は壮観

2025/06/23

色とりどりのアジサイが傾斜地に咲く「渥美あじさいの森」(田原市小塩津町で)

 田原市小塩津町の「渥美の森」近くで、アジサイの名所を目指し、住民有志が手弁当で「渥美あじさいの森」を手がけている。アジサイの苗を植栽したばかりの整備途上だが、早くも鮮やかな花景色が太平洋も見渡せる傾斜地に広がっている。

 あじさいの森が造られているのは、渥美の森の旧パターゴルフ場。地元自治会の土地で、渥美地区の住民らが中心になって「渥美あじさいの森プロジェクト」として取り組んでいる。

 「花のまち渥美半島」だが、花が見られるのは限られた季節のため、いつ来ても花がある〝花のリレー”が目標だ。この地域で生産が盛んなアジサイ(鉢植え)に着目した。

 プロジェクト実行委員会は2022年から、荒れた土地の造成などを開始、散水設備の整備やアジサイ約6000株の植栽、散策路造りなどを進めた。渥美商工会や老人会、アジサイ農家、NPO法人渥美半島まちづくり機構ウィズなどが協力し、川口敏郎実行委員長は「たくさんの協力をいただいた」と感謝する。

 整備費は3600万円で、実行委の有志12人が出資(約1600万円)したほか、田原市補助金1500万円など。市の「世界に誇れる花のまちアイデア」で最高位の金賞を受賞した。

 現地では、株はまだ小さいが、青や紫、ピンクなど色とりどりの花を咲かせている。地元の農家らが育てた多彩な品種で約100種あるという。傾斜地に咲くアジサイは見応えがあり、太平洋を見渡せる景色は壮観。開園予定の来年からは入場料を徴収する計画だが、今年は協力の募金を呼びかけている。

 整備途中のため、雨の降った後にぬかるむ散策路を「今後、なんとかしたい」と川口実行委員長。「菜の花に河津桜などの桜、ショウブ、ヒマワリと花が続くが、空白期だった6月をアジサイで彩り、年間を通して花のある渥美半島に」と期待を込めて話す。

 田原市は、花き産出額が全国一の花の生産地。アジサイは、2023年の実績で130万6000鉢を出荷し、産出額は10億9434万円となっている。

遠く太平洋も望めるロケーション(同)

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