建物老朽化や地域医療への役割説明/移転に向けた議論促す
2025/06/23
人工透析の設備を見学する参加者ら(新城市民病院で)
新病院建設と移転を検討している新城市民病院は21日、住民の意見を基本構想に反映させるためのワークショップの第1回を開いた。地域医療における同病院の役割や、建物老朽化などの課題を説明した後、これからの議論の材料にしてもらおうと院内ツアーを実施した。
一般市民や市役所、同病院の職員ら約50人が参加した。金子猛院長は「築年数が40年を超えた建物もある。東海地区での地震防災が注目される中、新病院建設は急務だ」とあいさつした。
経営をめぐる説明では、北設楽郡を含めた奥三河の人口が2050年に現在の3分の2に減るとの見通しを提示。病院側は「無理や無駄のない最適な機能の検討が重要だ」と強調した。
ツアーでは一般病棟や検査室に加え、手術室、医師らの当直室などまで巡った。使われなくなった病棟のフロアが倉庫になっていることや、看護師らの子供を預かる院内保育所があることも紹介された。
院内は増改築を重ねた複雑な構造で、参加者からは「迷路みたいで迷子になってしまいそう」といった声が上がった。
ワークショップは9月までに、さらに2回開かれる。
新城市民病院は奥三河の中核的な病院。23年度実績で入院患者は平均95・5人、1日当たりの外来患者は264人だった。