昭和100年写真が語る渥美半島の歩み

⑦赤羽根漁港の今昔/掘り込み漁港として建設、道の駅も開業

2025/07/01

建設中の赤羽根漁港(田原博物館所蔵、1969年撮影)

 上の写真は、建設中の赤羽根漁港。東防波堤にさおを持つ少年がいる。池尻川の河口に掘り込み漁港を造成する工事が1953(昭和28)年に始まり、40年かけて93(平成5)年に完成。防波堤工事は漂砂と荒浪との闘いの連続だった。

 写真のように、港内には未だに砂浜が広がり、太平洋からの波が寄せている。右手にアユとクルマエビを養殖する建物があり、赤羽根からコンクリート製の吹出橋を渡って西へ向かうバスが見える。この道が県道2号、通称表浜街道だった。

 下の写真は、現在の赤羽根漁港である。白とオレンジ色の建物は、道の駅あかばねロコステーションとシラスの加工工場。2009(平成21)年に開業した。

 白地に赤で「港内徐行」と表示された辺りが県道跡で、橋桁のコンクリートだけが残っている。

 県道は造船所や荷さばき所のある漁港奥に移し替えられ、国道42号となった。津波対策のために高さ6・4㍍の堤防が建設中である。国道の奥から西山方面には温室が建ち並ぶ。

 『赤羽根町史』によると、1951(昭和26)年に543人いた旧赤羽根町の漁業従事者が、78年には22人に。この間に豊川用水の完成と農業構造改善事業の推進によって漁師たちは施設園芸農家に。地引き網を主体とした半農半漁のむらが、日本有数の施設園芸のまちへと変貌を遂げていたのである。

赤羽根漁港と道の駅あかばねロコステーション(2024年に藤城信幸撮影)

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建設中の赤羽根漁港(田原博物館所蔵、1969年撮影)

赤羽根漁港と道の駅あかばねロコステーション(2024年に藤城信幸撮影)

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