新アリーナ事業継続切に願う地元スポーツ団体 ㊦/空調不具合で市総合体育館での全日本県予選分散開催/SVリーグチーム誘致も可能 「新たな聖地になるかも」
2025/07/18
豊橋市総合体育館内に掲示された住民投票への投票を呼びかけるポスター(豊橋市神野新田町で)
真夏の猛暑でサウナと化す屋内で競技を強いられる球技関係者にとって、新アリーナ計画は死活問題だ。豊橋バレーボール協会は今夏、緊急事態に陥った。
毎年6月に開かれる全日本バレーボール小学生大会の県大会。豊橋市総合体育館の第1競技場で行うのが通例だが、45回目の今年は開催1週間前に空調設備の不具合が判明し、会場を急きょ変更。豊橋バレーボール協会の西崇秀会長(59)らが奔走し、いずれも空調が整備された豊橋中央高校、蒲郡中部中学校、蒲郡ソフィア看護学校の各体育館で開催するに至った。
豊橋市内の小中学校体育館は空調が未整備で、6月末の中学生の市内総合体育大会では熱中症で救急搬送される選手が続出した。西会長が監督を務めるFINS南部高師台クラブは毎年、夏場は空調の整備率が高い三重県の学校へ遠征に出かけるほど。「こんな状況でスポーツをやっていいのかと思えるほどの異常事態」と訴える。
新アリーナができれば豊橋市総合体育館の使用頻度が下がり、ママさんバレーや高齢者も含めた5000人近い市内の競技関係者が夏も充実した環境で大会に臨めることになる。
もちろん、新アリーナ自体も競技振興の可能性を秘める。県内を拠点とするSVリーグのウルフドッグス名古屋とジェイテクトSTINGS愛知の試合を誘致することも可能で、プロの技を間近で見る機会は子どもらの夢を育む。同協会は今月24日、総合体育館でジェイテクトの選手による教室を開催する。
稲沢市の豊田合成記念体育館エントリオは春高バレー県決勝が行われるなど、県内の競技者にとって目標の地となっている。新アリーナを求める会Neoの副代表も務める西会長は「新アリーナが地元の子らの聖地になるかもしれない。大きく立派な競技場でプレーをする目標を持たせたい」と願う。