参院選愛知選挙区/物価高対策、SNS戦術が勝敗分ける/国民大勝、立民快勝/自民辛勝、公明敗北
2025/07/22
「当確」の知らせに拍手して喜ぶ支持者ら(名古屋市の事務所で)
石破政権が衆院で少数与党となって初めての参院選は20日投開票が行われ、政権を支える自民、公明の大敗に終わった。愛知選挙区(改選数4)は、国民の大勝、立民の快勝。躍進著しい参政が「自公立国」の「指定席」に食い込んだ。自民はかろうじて勝ったが、公明は姿を消した。最大の争点になった物価高対策、SNS選戦術などが勝敗を分けた。
■ばらまきと批判
「手取り増やす夏にする」と初当選した国民の水野孝一氏(48)は、党の公約を全面に掲げて訴え有権者の信頼を勝ち取った。再選した田島麻衣子氏(48)は、夕方以降に値下げする弁当を買い求める様子を伝え「生活者の一人」と強調し、同様に共感を得た。
「日本人ファースト」と党のスローガンを挙げて戦い初当選した参政の杉本純子氏(47)は、「働いても税金で取られ、お金がたまらない。国の政治を変える」と力説し、有権者の心をつかんだ。
参院選は、米が1年前より2倍以上に上がり「米騒動」へと発展し、追随するかのように食料品、日用品が賃上げ以上にどんどん上がっていく中で行われた。
最大の争点はもちろん物価高対策。国民、立民などの野党が消費税の廃止や減税などを打ち出したことに対し、自公は基本的に現金給付で対応した。生活苦に悲鳴を上げる人たちから「ばらまき」「一時しのぎ」との批判が、自民の辛勝、公明現職の安江伸夫氏(38)の敗北につながった。
国民と立民は6年前と比べ、計約16万票を増やし、約113万票を獲得した。これに対しトップ当選した自民酒井庸行氏(73)は約21万票減らした。昨秋の衆院選、先月の都議選から続く自民党の一部の議員の「裏金問題」の逆風に、自らも関わったことも影響したようだ。
SNS選が展開されたのも大きな特徴だった。導入して戦った昨年7月の東京都知事選で、石丸伸二氏が有力候補を破って2位に入り「旋風」を巻き起こし、昨年11月の兵庫県知事選でも斎藤元彦氏の再選の原動力となり、今回の選挙でも各党が動画やユーチューブなどで党の考えや街頭演説を流した。巧みに駆使した国民、参政が大勝利につながった。
外国人問題も争点の一つになった。参政は「外国人を多く入れると治安が守れるか」とその排斥を求めた形だが、外国人との共生社会を目指す自治体から批判され、課題を残した。
参院選は現職、新人の14人が立候補し論戦が交わされたが他候補は躍進、大勝、快勝した候補に埋没した感が否めない。奮起を期待したい。
■投票率60%
気になるのが投票率。3年前の時の52・18%から7・97ポイント上がり、60・15%だった。3連休の中日に関わらず、県民の選挙への意識が深化したといえる。
当 水野 孝一(48)国 民・新 596180
当 田島麻衣子(48)立 民・現 536260
当 杉本 純子(47)参 政・新 531387
当 酒井 庸行(73)自 民・現 521223
安江 伸夫(38)公 明・現 391824
田中 克和(41)諸 派・新 254938
辻 恵(77)れいわ・新 220642
広田沙久良(47)維 新・新 177870
須山 初美(46)共 産・新 145318
山根有紀也(34)諸 派・新 83402
大西 雅人(30)社 民・新 45278
園原 武嗣(54)諸 派・新 29256
横山 緑(47)諸 派・新 25017
石原 悟(75)諸 派・新 15034