「物価高倒産」過去最高に

帝国DB2025年上半期東海3県企業倒産動向/「人手不足」「ゼロゼロ融資後」も高水準

2025/07/24

東海3県の要因別倒産件数の推移(帝国データバンク調べ)

 帝国データバンク名古屋支店がまとめた2025年上半期(1〜6月)の東海3県(愛知・岐阜・三重)の企業倒産動向によると、燃料や原材料などの高騰によって収益が維持できずに倒産した「物価高倒産」は34件に上り、半期ベースで過去最多を記録した。前年同期比で1件、前期比で7件の増加となった。

 業種別では、小売業が構成比30・3%で最多。「飲食店」や「飲食料品小売」が多く含まれ、食材費や光熱費の高騰により、価格転嫁が進まない中で経営が立ち行かなくなるケースが目立つ。また、東海3県の価格転嫁率も全体的に低下傾向にあり、収益環境の悪化が一層深刻化している。

 同期間に発生した「人手不足倒産」は12件で、前年同期と同数ながら前期比で2件増加。業種別では建設業が41・7%と最も多く、「2024年問題」が懸念された運輸・倉庫業が33・3%と続いた。離職や採用難に加え、人件費の高騰が経営を圧迫し、企業活動の継続を困難にしている。

 また、「ゼロゼロ融資」返済後の資金繰りに行き詰まった倒産も19件確認されており、企業は複合的なコスト上昇と人材確保難に直面している。中小企業を中心に経営体力の消耗が進み、今後も倒産の増勢が懸念される。

2025/07/24 のニュース

東海3県の要因別倒産件数の推移(帝国データバンク調べ)

有料会員募集

今日の誌面

有料会員募集

東日旗

きらり東三河サイト

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP