〝平和で不思議な森さまよって〟

マリオネットや彫刻、絵画が100点以上展示／豊橋で27日まで佐久間奏多さん個展

2025/07/24

個展を開催している佐久間さん（ギャラリーサンセリテで）

　豊橋市出身で、チェコのプラハを拠点に活動するアーティストの佐久間奏多さんの個展「彷徨（さまよ）う森」が27日まで、豊橋市向山大池町の「ギャラリーサンセリテ」で開催され、にぎわっている。マリオネットや彫刻、絵画が１００点以上並ぶ。

　大学時代、チェコの作家が作ったマリオネットに出合ったことがきっかけでチェコに渡ったという佐久間さん。マリオネットは、手のひらに載るほどの大きさで、糸を操ると自由に動く。佐久間さんが想像の中で生み出した様々な不思議な生き物の姿をしており「身近にいそうでいない生き物の世界を表している」と話す。

　幼少期から昆虫が大好きで、見たことがない虫を見つけた時のワクワクが「自分自身で見たことのない生き物を創ることができる喜びにつながっている」と話す。彫刻と絵画は近年始めたといい「マリオネットには構造上の規制があるが、絵画はより自由に表現できるのが興味深い。彫刻は動かないが３６０度見られる面白さがある」と話す。

　絵画も彫刻も、日常生活の中にある不思議な生き物の世界を生き生きと表し印象に残る。マリオネットを制作した際に出た木のかけらで作ったピアスやイヤリングなども販売している。

　「ヨーロッパにいると、現在の戦争はより近く感じる。誰もが不安を感じながら生きている今、不思議な生き物が住む平和で幸せな森をさまようように展示を楽しんでほしい」と、佐久間さんは来場を呼びかけている。