名大の「運動透視テクノロジー」紹介企画/来月2日 保存会と解析動画共演
2025/07/27
筋肉の再現映像と保存会メンバー(新城市役所で)
新城市の長篠陣太鼓保存会が来月、大阪・関西万博の会場で演奏を披露する。名古屋大学が開発中の「運動透視テクノロジー」を紹介する企画。ステージでは、ばちを振る演者らの筋肉や骨格の動きを再現した解析動画が一緒に流され、さながら人体模型が生身の人間と共演する格好となる。
名大の下田真吾特任教授(49)=ロボット工学=によると、同テクノロジーは全身の筋肉1本1本の活動や重心の変化を可視化する技術。体内の無意識な動きまで把握することで、体が思い通りに動かなくなるイップスなどの治療に役立つそうだ。
下田教授は万博での本番に先立って、保存会メンバーが演奏する姿を8台のカメラで撮影。うち1人には体に1020個ものセンサーを取り付け、筋肉が発する電気信号や靴底にかかる圧力を測定した。
本番は8月2日午前、万博会場内のフューチャーライフヴィレッジで。測定に協力した15人が「清流流れ打ち」「合戦太鼓」など5曲を演奏する。
メンバーの近藤涼介さん(24)は、再現動画について「普通の映像だと分からない、ちょっとした首の動きまで見られる。自分がこんな風にたたいているんだとよく分かった」と話した。
今年は長篠陣太鼓の初演奏から50年、長篠の戦いも450年という節目だ。近藤さんは「万博の舞台では新城市の伝統芸能や歴史もアピールしたい」と意気込んでいる。