ワンマン列車でQR決済

JR東海が初の実証実験/飯田線の長野県内一部区間で

2025/07/30

飯田線のワンマン列車(資料)

 無人駅で乗り、無人駅で降りることの多いJR飯田線では、車内の運賃支払いでちょうどの額の現金を出せず、思わぬ手間ががかることがある。そんな乗客の不便を減らそうと、JR東海は8月、長野県内の一部区間を走るワンマン列車でQRコード決済を受け付ける試みを始める。

 車内の運賃精算にQR決済を用いるのは、同社初の取り組み。期間限定の実証実験ではあるが、鉄道業界で進む決済手段多様化の一例として注目されそうだ。

 実験は8月1日~10月31日、飯田市の川路駅から辰野町の宮木駅の間で行う。上り・下り合わせて1日11本走るワンマン列車から降りる際、スマートフォンの決済アプリPayPay(ペイペイ)で運賃を支払えるようにする。

 この区間は大半が無人駅で、TOICA(トイカ)など交通系ICカードもエリア外。運賃は車内での現金払いとなることが多い。

 しかし、ワンマン列車の両替機は千円札までしか対応しておらず、ちょうど支払えない場合は面倒なことになる。運転士の出す証明書を持って有人駅まで出向き、窓口でお釣りを精算してもらう必要があるのだ。

 QR決済が可能になれば、そんな事態を避けられる。なお、駅員がいる飯田駅、伊那市駅での降車は対象外となる。

 将来的な本格導入の可能性については、JR東海は「現時点で決まっていることはない」(広報部)としている。

 飯田線は愛知県内でも新城市の三河大野駅から先がICカード未対応だ。山間部は携帯電話の電波が届きにくいという課題があるが、決済多様化の試みは歓迎されそうだ。

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